参議院は12日、著作権者の許諾を得ずにネット上で違法配信された映像や音楽のダウンロードを違法とする著作権法改正案を、本会議において全会一致で可決した。同法案は参議院に先立ち衆議院でも可決されており、改正法は成立、施行日は2010年1月1日となっている。

ファイル交換ソフトや音楽配信サイトを利用した音楽や映像の無断ダウンロードについてはこれまで、コンテンツ権利者から違法性が指摘されていた。だがこれまでは、コンテンツを無断で「配信」することは違法だが、ダウンロード自体を禁じる規定はなかった。

これに関し政府は、文化庁の「私的録音録画小委員会」での議論を経て、ネット上で無断配信された映像や音楽のダウンロードを、著作権法第30条に定める「私的使用」の範囲から外し、ダウンロード自体を違法化する著作権法改正案を2009年3月10日に閣議決定。その後衆議院に提出され、2009年5月12日に衆議院で可決、その後参議院の文教科学委員会で審議がなされていた。

同法案では、無許諾配信コンテンツのダウンロード違法化のほか、検索エンジンサービスにおけるサーバへの一時複製(キャッシュ)を合法化する規定や、過去のテレビ番組の著作権者が所在不明な場合における、番組コンテンツの円滑利用を促進する規定も整備している。

参議院の文教科学委員会では同法案について、衆議院の文部科学委員会と同様、違法だと知らずにダウンロードをした人に不利益が生じないよう留意することなどを明記した付帯決議を付し、6月11日に全会一致で可決した。6月12日には参議院の本会議で全会一致で可決、改正法は成立した。

施行日は、2010年1月1日となっている。