日経平均株価が昨年10月以来、約8カ月ぶりに一時1万円を突破するなど、景気改善の兆しが見えてきたとはいえ、収入が上がる見通しは、いまだ楽観できません。おりしも、世界の自動車産業に君臨していた米国GM社が経営破たんし、その影響は少なからず日本経済にも及ぶものと予想されます。景気回復についても予断は許さず、いつ給料カットの通告を受けるとも限りません。夏のボーナスも期待薄です。となると、ますます日々の節約努力が必須課題になってきます。

■「おうちごはん」で節約シリーズ・バックナンバー

日々の節約の特効薬になるのが「おうちごはん」=自炊です。たとえば、レストランやカフェで食事と飲み物をオーダーしたら、最低でも1,500~2,000円。コンビ二で購入した場合でも1,000円弱はかかります。昼と夜を外食にたよった場合、1日=2,000円として、1カ月で2,000円×30日=6万円。

もし、1カ月分の昼食と夕食をおうちごはんにすれば、6万円まるまる浮く計算になります。半分だけおうちごはんでまかなっても、3万円節約できることになります。そう考えると、自炊の節約効果は侮れません。

おうちごはんの節約効果を上げるポイントは、

  • とにかく安く買う
  • 無駄なく保存する
  • おいしく食べきる

の3点です。

どんなに安く買っても、食べ切れずに無駄にしてしまっては元も子もありませんし、たとえ食べ切ることができても、おいしくなければ、おうちごはんは長続きしません。この3つが一体となったときこそ、ハッピーなおうちごはん生活が実現します。

この3つはどれも重要ですが、とにかく安く買わなければ、節約は始まりません。そこで、昨今の不況に対抗するために、究極の安い買い物=スーパーで、タダでゲットできるものを紹介しましょう。

牛脂でソテーすれば、豆腐がステーキ風味に大変身

まず1つ目は牛脂。牛脂とは、牛の脂身を精製した食用油脂で、常温では白色の固体をしています。すきやきやステーキを作るときに、温めたフライパンに入れると固体が溶けて、オイル状になります。

この牛脂を牛肉販売コーナーに「ご自由にお持ちください」として置いてあるスーパーが多くあります。一般的には、牛肉と一緒に調理されることが多いものですが、ここは"節約おうちごはん"。高価な牛肉を豆腐に代えて、豆腐ステーキを作ってみましょう。

■作り方

  1. 木綿豆腐1丁(約240g)を、キッチンペーパーを敷いた耐熱容器に乗せ、電子レンジで1分加熱して、水気を切り、全体に小麦粉をまぶします。
  2. フライパンを中火で温め、牛脂1個を溶かします。
  3. (1)の豆腐を片面ずつきつね色の焦げ目ができるまで焼けば、完成。

牛脂の独特のうまみと牛肉の風味が出て、サラダ油でソテーした豆腐ステーキとはひと味違うコクのあるおいしさ。しかも、食材費が豆腐だけという点も、優秀なおうちごはんです。

水は買わずに、タダでもらう

最近、水をタダで提供するスーパーが増えてきています。たとえば、西友には「良水倶楽部」というサービスがあります。これは、まず、専用ボトル(3L入り)を500円(税込み)で購入し、その後は店内に設置された給水器を1日1回だけ利用できるというもの。利用する際には「良水倶楽部」の会員であることを示すために、必ず専用ボトルを持参する必要があります。

ただし、西友では、この水をそのまま飲む「飲料水」としではなく、加熱して使用する「調理水」として提供している点に留意。それでも、おうちごはん派には欠かせない炊飯器用やおかずの調理用、あるいは、お茶やコーヒーをいれるときに使えば重宝します。

販売ケースの隅っこ、壁際を要チェック!

スーパーで、タダでもらえるものを見つけるコツは"隅っこ"と"壁際"にあります。店内の四方の壁に備え付けられた商品陳列ケースをグルリと1周してみましょう。何からの"タダ"を発見できるはずです。

たとえば、鮮魚売り場の販売ケースの壁際に小袋入りのしょうがとわさびを発見。これらをゲットすれば、チューブ入りのしょうがやわさびを買わずにすみますし、たまにしか使わない場合には、せっかく買ったものが消費期限切れなるのを防ぐことができます。

「スーパーでタダのものを物色するなんて、なんだか恥ずかしい」と思ってはいけません。「タダのものだけをもらって帰りましょう」と言っているわけではなく、他の買い物をしたついでに、タダのものをゲットすればいいのです。「ご自由にお持ち帰りください」というのはスーパー側の顧客へのサービスですから、堂々とそのサービスを享受しましょう。収入が増えない昨今、食費にかかるお金を1円でも抑えることが、賢いおうちごはんといます。