石油情報センターが10日発表した石油製品の価格動向調査によると、6月8日現在のレギュラーガソリンの店頭価格は前週から0.8円上がり120.8円だった。これで10週連続の上昇。1月13日から始まったレギュラーガソリンの上昇傾向は21週(3月30日のみ前週比±0)続いており、この間の上昇幅は14.8円に。ハイオクは前週比0.8円高の131.6円、軽油は同0.1円高の101.3円だった。

前週より上がったのは41都道府県。上昇幅がもっとも大きかったのは宮城(121.0円)、福井(122.7円)、福岡(121.3円)の3県で前週比1.7円高。青森、岩手、富山、高知、沖縄の5県では前週より下がったものの、もっとも下落幅が大きかった岩手(119.0円)でも前週比マイナス0.5円と、いずれも小幅な値下がりだった。岡山(120.1円)は横ばい。平均価格が高かったのは島しょ部の多い長崎(127.3円)と鹿児島(124.4円)。安かったのは茨城(116.7円)、栃木(117.5円)、沖縄(117.5円)など。

元売り大手では出光興産が6日~12日適用分のガソリン卸価格を前週から0.5円引き上げている。5月30日~6月5日適用分では約半年ぶりに0.4円引き下げていたが、再び値上げに転じた形だ。石油情報センターでは「国内的には需要が伸びていないこともあり、(先週で値上がりは)頭打ちかな、とも思ったが、今週は景気回復期待から原油価格(ニューヨーク商業取引所の米国産WTI原油価格)が1バレルあたり68ドル台まで上昇している。状況的には上昇が続く感じだ」と話している。

一方、軽油価格が前週比0.1円高と、ガソリン価格に比べ小幅な値上がりとなっている点については「軽油の需要が伸びておらず、物流のトラックがあまり動いていないのでは。この点からいえば日本の景気はまだそれほど回復していないともいえそうだ」としている。