愛知県は6月8日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の飛行実験場が、同県の県営名古屋空港隣接地に決定されたことを発表した。これは、同日文部科学省が開催した、「科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 航空科学技術委員会」におけるJAXAの報告を受けてのもの。

同報告では、ジェット飛行実験機(ジェットFTB)としてCessnaの双発ジェット機「サイテーション ソブリン」を導入、平成23年度初頭の運用開始を目指し、愛知県の整備する「航空機に関する研究開発施設」に入居し、県営名古屋空港を拠点の飛行実験場として利活用することを目指し、愛知県と事務手続きを進めるとしている。また、航空宇宙産業などとの産学官連携に向けた取り組みについても調整を進めるとしている。

ジェット飛行実験機については、旅客機開発における飛行実証やジェット機先進要素技術の飛行実証、JAXAプロジェクトにおける活用などが計画されている。

また、研究開発施設は、平成20年度に国から取得した名古屋空港の隣接地約2haで、格納庫、事務室および倉庫の延べ床面積は約2,400m2になるという。同県では、平成21年度の予算として5,484万7,000円を計上し施設の設計や地質調査などを行う計画で、平成22年度に施設建設に着工、同23年度から併用開始を予定している。

なお、愛知県では、同地域の航空機に関する研究開発機能が飛躍的に強化され、研究開発、型式証明、生産、整備など航空宇宙産業に必要な機能が一貫して揃うこととなることから、同研究開発施設の整備を進め、JAXAを始めとする産学行政が連携した研究開発を推進するとともに、中小企業の参入支援など産業の裾野の拡大に積極的に取り組み、航空宇宙産業振興の一層の推進に努めていくとしている。