宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本放送協会(NHK)は、6月11日に月の表面に落下させる予定の月周回衛星「かぐや(SELENE)」が、ハイビジョンカメラを用いて低高度で撮影した月の様子を6月3日より公開している。公開されているのは、JAXAのWebサイト上にあるデジタルアーカイブス(ジャンル:観測画像、カテゴリ:月・惑星探査、ミッション:月で検索)と、JAXA動画。JAXA動画の方は、YouTubeのJAXAチャンネルと連動して配信する形となっている。

"かぐや"は、当初、高度約100kmを周回しながら各種観測や撮影を行ってきたが、2009年2月1日より高度約50kmに、同4月からは高度10~30kmの低高度での運用が行われている。

今回公開された映像は、"かぐや"が10~30km程度の低高度からハイビジョンカメラで撮影したもの。地表面にかなり近いため、クレーターなど月表面の凹凸がはっきりと見ることができる。

今回公開された映像は、高度約11kmで、南緯45度、東経263度~262度付近から南緯52度、東経263度~262度付近を撮影した「「かぐや」ハイビジョン広角カメラによる映像-低高度(近月点)撮影-」と、高度約21~22kmで南緯64度、東経188度~186度付近から南緯70度、東経188度~186度付近を撮影した「「かぐや」ハイビジョン広角カメラによる映像-アントニアジ-」の2つ。

なお、JAXAならびにNHKでは、低高度で撮影したその他の映像についても準備が整い次第、随時公開していく予定としている。