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IE6のシェアが下落しているとはいえ、Net Applicationsの報告によれば2009年4月におけるIE6のシェアはIE7、Firefox3に次いで3位、17%強のシェアを確保している。WebサイトのIE6対応は依然として続ける必要がありそうだ。そうした状況に対し、Andy Clarke氏がUniversal Internet Explorer 6 CSSという興味深い取り組みを開始した。成果物はGoogle Codeでも公開されている。

Andy Clarke氏はIE6に関する6つの疑問に対して次のように自説を紹介。

  • (デザインは優れたブラウザに合わせてIE6には代替案で対処すべきか) これまでデザインはそれぞれのブラウザ機能の最小公約数にとらわれるべきではなく、ベストなブラウザに合わせたあとでIE6などへの代替処理を検討すればいいと説明してきた。ここで重要なのはすべてのブラウザで同じように見える必要はないということ
  • (レイアウト問題を解決するためのIE6用回避CSSを用意すべきか) 多くのデザイナや開発者がこの方法を使ってどのブラウザでも同じように見えるように苦労している。すべてのブラウザで同じように見える必要はない
  • (IE6でCSSが動作するようにJavaScriptを使うべきか) ユーザの操作感に劣化をもたらすのでなければ、この方法は現在でも検討に値する方法ではあると考えている
  • (IE6での表示は本当にほかのブラウザと同じようにするべきか) その必要はないし、現実的でもなければそもそも実現できない。すべてのブラウザで同じように見せるアプローチには問題がある
  • (より優れたブラウザに合わせて開発してIE6向けの開発や試験はおこなわなくていいか) よりよいブラウザをベースとしてプログレッシブなアプローチを取るべきだと考えている。しかしこれはIE6を捨てることを意味している、それはマネージャもオーナも納得しないだろう
  • (IE6からは見れないようにするべきか) IE6しか使えない状況におかれているところもあるため、それは不親切といえる

そこでAndy Clarke氏はUniversal Internet Explorer 6 CSSと呼ばれるIE6向けのCSSを提案している。WebデザイナやWebデベロッパはシンプルで効果的なHTML要素を記述すればよく、あとはIE6向けにはこのCSSを使って表示させようというものだ。Andy Clarke氏の主張をまとめると次のとおり。

  • すべてのブラウザに対して同じ見た目を実現するのは現実的な方法ではない
  • 重要なのはコンテンツ
  • プログレッシブアプローチは優れたブラウザをベースにして進めるべき
  • IE6対応を捨てるべきではない
  • IE6対応にはUniversal Internet Explorer 6 CSSの使用を提案

プログレッシブアプローチのベースとして古いブラウザではなく優れたブラウザをベースとすること、すべてのブラウザでまったく同じに見える必要はないこと、IE6に対しては別のCSSで表示させることなどが主張されている。