米General Electricの研究部門であるGE Global Researchは4月27日 (現地時間)、CDサイズのディスクで500GBの記憶容量を実現するマイクロ-ホログラフィック媒体の開発を明らかにした。DVDやBlu-rayなど、既存のオプティカル・ディスクとの下位互換を確保できる技術としてアピールしている。

ホログラフィック記録媒体の開発ではBell LabsからスピンオフしたInPhase Technologiesが先行していたものの、製品リリースが度々延期されてきた。InPhaseはページと呼ばれる3Dパターンを重ね合わせ、複数のページを持つ1つの物理スペースに様々な角度から光を当てることで特定のページを読み取る仕組みを採用している。この方式は高精度な書き込み/ 読み取り用光学機器が必要になり、コストを抑えにくい。2009年後半にも登場する予定のInPhaseのホログラフィック・ストレージ装置は18,000米ドル、記録容量300GBのディスクが1枚180米ドルになる予定だ。業務用での需要が見込まれる一方で、民生機器に展開できる見通しが十分ではない。

GEのマイクロ-ホログラフィック技術は、CDやDVDと同じようにディスク全体にパターンを形成し、ホログラムが平面に並ぶ複数の層がディスク内部に配置される。従来のオプティカル技術に近いため、ポリカーボネートを使用した既存のオプティカル・ディスク製造方式や製造技術を利用できる。またCD/ DVD/ Blu-rayなどにも対応するマイクロ-ホログラフィック読み取りデバイスを設計しやすい。問題は信頼性だが、GE Globalの開発チームの発表によると「直径およそ1ミクロンのマイクロ-ホログラフィック・マークが1%の反射率に近づいている。標準的なDVDまたはBlu-rayディスクのオプティカル技術を用いた場合、このスケールダウンされたマークはCDサイズのディスクで500GB以上の記憶容量を可能にするのに十分な反射率である」という。

DVDディスク・サイズで記憶容量500GBを実現するマイクロ-ホログラフィック・ディスク材料のしきい値をデモ

GE Globalのテクノロジーベンチャー・チームのBill Kernick氏は「GEのホログラフィックストレージ・プログラムは最終コーナーにさしかかった。今回のマイルストーンを経て、今後は商用化の取り組みを強めていく」とコメントしている。まずは業務用に集中し、その後に民生機器への搭載を目指すそうだ。