米Googleは4月20日(現地時間)、Webブラウザで3Dグラフィックスを実現するシェーダーAPI「O3D」を明らかにするとともに、対応プラグインの試験的な提供を開始した。

今日のWebコンテンツは大部分が2Dである。「3Dがもたらす豊富な情報は、面白いし、有用性を高める。Google EarthやSketchUpのようなプロジェクトが示すように、われわれはユーザーの3Dコンテンツ作成やインタラクトの実現に力を注いできた。これらデスクトップと同様の3D体験をWebにも広げたい」とO3DチームのMatt Papakipos氏。

プラグイン提供はオープンソース・コミュニティに対して、O3DにおけるGoogleのWeb向け3Dグラフィックスへのアプローチを示すのが狙いだ。対応環境は、Windows XP SP2、Windows Vista SP1、Mac OS X 10.5以降のIntel Macなど。Firefox 2+、Internet Explorer 7.0+、Chrome、Safari 3+、CaminoなどのWebブラウザをサポートする。ただしO3Dは極めて初期段階であり、グラフィックスハードウエアによっては動作が不安定になるようだ。システム要件の詳細はGoogle Code LabsのO3Dのページで確認できる。

3D Webに取り組んでいるのはGoogleだけではない。例えばMozillaはCanvas 3Dという3D描画を含むプロジェクトを進めている。3月には、OpenGLスタンダードをサポートするKhronos Groupが、Mozillaからの提案を受けて3D Webのオープン標準策定のためのイニシアチブ設立を発表した。現状は様々なアプローチが存在する分裂状態と言えるが、Googleは後々オープン標準に向けた筋道を確立するため、早い段階に様々な角度から議論を重ねることが重要と考えているようだ。「MozillaのCanvas 3Dのようなプロジェクトと比較する対象の存在が、グラフィックス・コミュニティやWebコミュニティにおいてWeb向け3Dグラフィックスの新オープン標準に関する議論を促すと期待している」とO3D担当製品マネージャーのHenry Bridge氏。「JavaScriptとブラウザが日毎に高速化する現状を考えれば、そのような標準が形になるべき時期を迎えたと思う」と指摘する。