100万フォロワーを達成するのは……。画面はAshton KutcherのTwitter

"マイクロブログ" のサービスで人気急上昇中の「Twitter」だが、米国においてここ数日は本来のコミュニケーション用途ではなく、別の形で話題沸騰となっていたようだ。「誰が最初に100万人のフォロワーを呼び込めるか」──というレースがヒートアップしてきたのは今年3月。Lance Armstrong、Ashton Kutcher、P. Diddy、Martha Stewartなど、当時多数のフォロワーを獲得していた著名人の中で、誰が最初にマイルストーンに到達できるかを競い合う「Twitterati」なる遊びが流行していたことにさかのぼる。これら著名人のアカウントは自身で更新することもあれば、マネージャーなどがフォローにまわることもあり、競争のヒートアップとともに急速にフォロワーの数が増えていった。

4月中旬になるとフォロワー数が90万を突破していたAshton KutcherBritney Spearsのアカウントがトップ2へと躍り出て、どちらが先に目標に到達するのかに注目が集まるようになった。そうしたなか、ニュース放送局のCNNが94万以上のフォロワーを獲得していた@CNNbrkのアカウントを買収して正式にフォロワー獲得合戦に参入したというニュースが全米で15日(現地時間)に報じられた。同アカウントはサンフランシスコ在住のJames Coxという人物が管理していたもので、報道によればTwitterでのアカウントの売買は禁止行為のため、買収金額等は公表されていないという。

Kutcherは14日夜に全米で放映されたCNNのトーク番組「Larry King Live」の中で、CNNに対してどちらが先に100万フォロワーを獲得できるか勝負を挑んでいる。もしKutcherが勝負に勝った場合、世界マラリア・デー(4月25日)に向けて10万ドルを寄付すると宣言していた。そして勝負宣言から約2日経った16日夜、Kutcherのアカウントのフォロワーが100万人に到達した。

……以上がここ1カ月米国でヒートアップしていたゲームの顛末だが、興味深いのは友人同士のコミュニケーションツールをちょっとした遊びに活用してしまったこと、そしてTwitter内での新たな話題を作り上げてしまった点だ。用途がガチガチに固定されたサービスではなく、ユーザー自らがトレンドを作り出したという点が面白い。また著名人が積極的に最新のITサービスをプロモーションに活用していた点も注目で、SNSのMySpaceが早期からミュージシャンなどのアーティストのプロモーションに活用されていた米国ならではの現象かもしれない。