PFUは3月31日、同社の組み込み機器向けエンベデッドコンピュータ「AR8000 シリーズ」の最上位モデルとして、次世代Xeon「E5500番台(Nehalem-EP)」を搭載した「AR8300 モデル 320G」および「AR8400 モデル 320G」を発表した。すでに受注を開始しており、価格は50台ロット時で45万2,000円(税別)から、となっている。

左が「AR8400 モデル 320G」(各種スイッチ、コネクタ、HDDなどを前面に集約することで、すべてのオペレーションを前面だけで可能にしている)、右が主にオペレータの足元などに置いての使用が想定される「AR8300 モデル 320G」

主にアプリケーションに組み込まれたり、サーバラックに搭載される使い方には「AR8400」が、組み込みシステムなどの足元に置いて使用する使い方には「AR8300」の適用が想定されている。

組み込みコンピュータは、機器の複雑化やより微細なものの解析など高度なイメージ処理が求められるようになってきており、CPU性能やバス性能の向上、メモリ容量の拡大が求められていた。

2製品ともに、Nehalem世代のクアッドコアXeonで、組み込み用途に対応した「E5540」(2.53GHz)もしくは「E5504」(2.00GHz)を最大2個搭載可能であり、Hyper-Threading Technologyにより、最大16スレッドを同時実行することが可能である。

また、メモリは3チャネルのDDR3-1066に対応し、最大23.44GBpsのメモリ帯域幅を実現。容量も最大36GB搭載することが可能であり、ECCにも対応している。

さらに、組み込み用途では信頼性はもとよりデータの保全やMTTR(平均復旧時間)の短縮も求められることから、国内設計、国内製造による高品質の実現およびオプションとしてRAID1、HDDのホットスワップをサポートしており、万一のHDD故障時にも継続して運用することが可能となっている。

このほか、PCI Express 2.0をサポートし、×16レーンを2スロット、×4レーンを1スロット用意したことで、各種用途に応じたPCI Expressボードの搭載が可能となっている。ちなみに、各PCI Expressスロット間にPCIスロットを挟むことで間隔を広げており、かなりの厚みを持つボードの使用も可能となっている。

対応OSはWindows XP Professional 32bit版、Windows Vista Business 32bit/64bit版、Red Hat Enterprise Linux V5 32bit/64bit版となっており、将来的にはWindows 7にも対応する予定とのこと。

なお、海外での使用も想定しており、EMC規格としてVCCI Class-A/FCC Class-A適合(CEマーキング Class-A準拠)のほか、海外の安全基準としてUL/CSAに適合(CEマーキング準拠)している。

同社では、AR8000シリーズとして、従来の3モデルに今回の2モデルを加えたことで、シリーズ全体で今後3年間で3万台の販売を目標とするとしている。主な適用分野は半導体製造装置/検査装置、工作機械、医療機器などで、その内モデル320Gで40~50%の台数を占めたいとしている。