米Oracleは3月18日(現地時間)、同社会計年度で2009年第3四半期(2008年12月-2009年2月期)決算を発表した。

同四半期の売上は54億5300万ドルで前年同期比2%のアップ、純利益は13億2900万ドルで1%のマイナスとなった。為替変動を無視した売上と純利益は2桁成長を達成しており、引き続きドル高の影響を受けていることがわかる。

またOracleは同日、同社としては初となる株式配当を発表した。こうした好材料もあり、同社株価は18日の時間外取引で1ドル強上昇の16.90ドルの水準まで買い進められている。

業績自体は前年比ほぼフラットの横ばいとなったOracleの第3四半期決算だが、前述のように為替変動を除外した売上は2桁成長と金融危機真っ只中においても好調であり、ビジネス的根幹が大きく揺らいでいるわけではない。むしろ問題はドルと円以外の為替レートがいまだ急落し続けていることであり、今後もしばらくは急な為替変動が理由で業績がプラスにもマイナスにも作用するリスクを抱えているといえるだろう。米Oracle社長のCharles Phillips氏もこの点を強調しており「為替変動の影響を無視すれば、新規ソフトウェアライセンスは昨年比でより高い水準を推移している」とコメントしている。同様にCEOのLarry Ellison氏も「強いドルが好ましくない為替レートを生み出している」と述べる一方で「世界経済が深刻な減速に直面するなかで、素晴らしい業績を達成した」と強調しており、その結果に自信を見せている。

また先週のレポートにもあったように、経済減速下での同社のライセンスビジネスの行方に注目が集まっている。結論からいえば、今四半期のライセンス更新とサポートは前年同期比で大幅に躍進しており、売上に占める割合も依然上昇している。不況を反映して新規ライセンスは停滞気味なものの、依然として売上は高水準だ。今後の傾向として、しばらくは為替の乱高下に振り回される状態が続くが、その中でどれだけ新規の導入案件減少を防ぎ、ライセンス更新売上を維持できるかが焦点となる。

売上 09Q3売上 売上全体の比率 09Q3売上 売上全体の比率 前年比(為替影響有) 前年比(為替影響無)
新規ソフトウェアライセンス 1516 28% 1616 30% (6%) 3%
ライセンス更新+製品サポート 2917 53% 2624 49% 11% 20%
ソフトウェア売上小計 4433 81% 4240 79% 5% 14%
サービス 1020 19% 1109 21% (8%) 2%
売上合計 5453 100% 5349 100% 2% 11%
2009年第3四半期決算における売上の内訳(売上の単位は百万ドル、カッコはマイナス)