Gazelle - Next Generation MS Web Browser?

IE8は従来からあるWebブラウザの設計と実装をベースとしたMSブラウザの最後のプロダクトになるかもしれない。執筆現在ではアクセスできなくなっているが、MSR Technical Report MSR-TR-2009-16として公開されたホワイトペーパ『The Multi-Principal OS Construction of the Gazelle Web Browser』においてそのアイディアが紹介されている。

『The Multi-Principal OS Construction of the Gazelle Web Browser』ではブラウザをカーネルにみたててリソース制御をおこなうようにするアイディアが示されている。設計の発想はGoogle Chromeに近いといえるかもしれない。Chromeよりもリソース制御を実施する部分を明示的に"ブラウザカーネル"と読んだり、リソースプロテクション、リソース管理を行うところに主眼を置いているようにみえる。ブラウザカーネルへのリソース要求はシステムコールを通じて実施されるなど、一部にOSのカーネルと似たようなモデルを採用しているようだ。

ホワイトペーパにはブラウザカーネルがC#で開発されている記述がある。Chromeほど極端ではないが、プロセスを分離して動作する実装を目指しているようだ。ブラウザがより適切にリソース管理を行ったりリソース分離を行うことは当然の欲求として生まれてくる。その点Gazelleは興味深く、今後の動向を注意深く見ておきたい。