米Embarcadero Technologiesインターナショナル担当SVP兼ジェネラルマネージャのNigel Brown氏。「InstantOnの機能とシンプルなライセンス体系で簡易に導入が可能で、さまざまな利用シーンに対応できる」とメリットを強調する

米Embarcadero Technologiesの日本法人であるエンバカデロ・テクノロジーズは3月4日、Delphiなど同社開発ツール群を1つのライセンスでまとめて導入可能な「Embarcadero All-Access」を発表した。従来まで同社の製品群は製品個々にライセンスを購入する必要があったが、All-Accessでは一括ライセンスの形で最新ツールをどれでも好きなだけ利用することができる。配布はオンデマンド形態で行われ、インストール作業なしですぐに利用可能な点も特徴。大規模開発などで一度に利用するライセンス数が限られるケース、あるいは最新ツールの評価や新たな追加予算なしでの迅速な実践投入などのケースでの利用を想定している。

エンバカデロ・テクノロジーズ カントリーマネージャ(日本法人代表)の藤井等氏。「開発サイクルにおけるさまざまなフェーズに対応できる豊富なツールがあるからこそ、All-Accessが活きてくる」とアピール

エンバカデロではDelphiなどの旧CodeGearの言語系ツール、DBツール、モデリングツールなど、さまざまな開発ツール製品を抱えている。All-Accessでは1つのライセンスキー購入で、これらすべての製品の利用が可能になる。開発プロセスの中で複数の製品を同時に使うことがある、あるいはチーム全体では一度に同時に利用するライセンス数は限られているときなど、All-Accessの導入でツール導入コストが軽減できると同時に、煩雑なライセンス管理が容易になるというメリットがある。All-Accessに該当する製品群は専用メニューで管理され、従来型のインストールのほか、InstantOnというオプションが選択可能。InstantOnではインストールなしで製品の実行イメージがネットワークからPC上に展開され、一種のオンデマンド型アプリケーションのように動作する。実行イメージをローカルHDDに残し、通常のインストールアプリケーションのように利用することも可能。

All-Accessは導入規模や利用形態によって、3種類のライセンスモデルと4つのレベルが存在する。ライセンス形態は、利用するマシンを限定する「ワークステーション」、特定のユーザーにライセンスを付与する「ネットワーク指名ライセンス」、同時利用数に上限を与えて複数ユーザーでライセンスを共有する「ネットワークコンカレント」の3種類。また「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4つのレベルが設定され、上位レベルに近付くごとにAll-Accessで利用可能な製品数が増加したり、同じ製品でもより上位エディションを選択可能になる。このほか、既存製品ユーザー向けのアップグレードパスも用意され、新規導入よりも安価にAll-Accessへと移行できる。ライセンスは年次更新され、これを更新し続けることで常にツールの最新バージョンが入手できる。なお、更新なしでも、All-Accessのライセンス自体はそのまま継続利用できる。

All-Accessの管理画面。ここで選択可能な製品と導入状況を一覧形式で確認できる

InstantOnの実行画面。選択後すぐに製品が利用できる点が特徴。オンデマンド実行だけでなく、通常のインストールと同様にローカルに実行ファイルを残すことも可能