さて、簡単な性能評価は既に示した通りなので、ここから何時も通り内部をもう少し細かく精査して行きたいと思う。内部構造そのものの概略は今年4月のIDF Shanghai 2008で公開されており、筆者も簡単にレポートしたので、この内容の正当性を含めて検証して行きたい。

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Photo01: テスト用に「Intel X58SO」を買い増し。今回もスタッフ見習い達が検品(?)を担当。「なんだこれ」「美味しくないぞ」

Photo02: 「中も美味しくない」「なーんだ」「なーんだ」「なーんだ」……DX58SOは食べ物ではありません

CPU Core部分

まずは大雑把に、従来のCore 2とCore i7の内部構造の違いをまとめてみたい。図1が従来のCore Microarchitecture(以下Core MA)、図2がCore i7のMicroarchitecture(以下Nehalem MA)である。

ここで判る違いは、

  • LSDがデコードの前からデコードの後に移動した
  • 実行ユニットが5つから6つに増設された
  • L2 TLBが追加された

といったあたりになる。IDF Shanghai 2008での話では、デコーダ段はMacroFusionに関しての拡張がなされた程度ということになっており、それ以上新しい話はなかったのだが、まずはこの辺がどうか? である。ということで、お馴染みRMMA(RightMark Memry Analyzer)の結果を見てみたい。利用したのは最新版の3.8である。テストは、

  • Core i7 965(HT有効/無効の両方)
  • Core 2 QX9770

という3.2GHz同士で比較している。またOSはWindows Vista Ultimate+SP1だが、32bitと64bitの両方を試してみた。ちなみに64bit環境については、現時点でRMMAは64bit Vista上で稼動しない。理由はドライバの署名が無いことで、これを取得するという計画はあるようだが、現時点ではまだ未取得である。そこで、このあたりの議論を参考に、atsiv.exeを入手して(敢えてリンクは示さない)強引にRTCore64.sysをロードし、テストを行った。