テムザック代表取締役の髙本陽一氏

テムザックは、ドイツのフラウンホーファー研究機構(Fraunhofer Gesellschaft)が開発したロボット研究用プラットフォーム台車「VolksBot」について、日本国内での販売を開始すると発表した。価格は仕様によって異なり、80~150万円(税別)程度。

主に研究、開発、学習、教育などに用いられるプラットフォーム台車。大学などの現場において、ソフトウェアの研究がメインの場合は、ハードウェアの開発に時間やコストをかけられないことも多い。同社にはそういった、すぐに使えるプラットフォームに関する問い合わせが多かったそうで、今回、国内向けにVolksBotの販売を決めた。

ロボット研究用プラットフォーム台車「VolksBot」

ターゲット。つくばチャレンジなどにも良さそうだ

VolksBotは走行系の機能のみを搭載したものとなっており、ノートPCや各種センサなどはユーザーが別途用意して組み込む必要がある。3輪タイプの「RT3」、4輪タイプの「RT4」、6輪タイプの「RT6」などの種類があるが、コンポーネント単位での再構築が容易になっており、ユーザーの用途に応じて自由に構造をカスタマイズすることができる。

主な仕様は以下の通り

タイプ RT3 RT4 RT6
車輪数 3 4 6
車輪径 260mm 260mm 210mm
最大速度 1.4m/s 1.4m/s 1.1m/s
最大荷重 40kg 40kg 40kg

パーツを追加するなどして、自由にカスタマイズが可能

カスタマイズ例。クローラタイプ(右)や段差を上るタイプ(中)も

人が乗ったり、海岸を走ったり、様々なテストを実施

多くのプロジェクトで採用された実績があるという

ハードウェアは、アルミフレーム、ドライブユニット、モータコントローラ、バッテリなどで構成される。モータコントローラは最大3つまでモータを制御することが可能で、6輪の場合にはこれが2つ必要となる。PCとはモータコントローラが接続され、Visual C++などの開発環境と提供されるAPIを使って、制御プログラムを作成できる。

デモ機ではバッテリは2つ搭載していた

モータコントローラはこちらのボックス

サーボモータはマクソン製。2つ搭載

3輪タイプの場合、駆動するのは後輪2つ

VolksBotを制御するためのAPIの一覧

プログラム例。これだけでロボットは動く

動画
上のプログラムが動作している。前進のスピードは最高の40%(wmv形式 980KB 27秒)

またテムザックはフラウンホーファー研究機構との連携を進め、今後、同社のロボット製品をヨーロッパで展開することも検討しているという。例えば留守番ロボット「ロボリア」は現在、通信規格の都合で日本国内でしか利用することはできないが、長期休暇が一般的なヨーロッパには潜在的な需要があり、"ヨーロッパ版"を共同で開発する意向だ。