米Gartnerは12月16日 (米国時間)、2008年から2009年にかけて半導体市場が初めて2年連続の売上減となる見通しを発表した。

前回11月半ばのレポートでは、2008年が0.2%増、2009年が2.2%減だった。金融危機の影響で第4四半期に消費者需要が急速に減退しており、最新レポートでは大幅な下方修正となった。2009年の半導体売上高は前年比16.3%減の2192億ドル。2008年第4四半期については、前期比24.4%減と過去最大の落ち込みになると予測している。Gartnerは12月12日(同)に、2008年の半導体の世界売上高が前年比4.4%減の2619億ドル(速報値)になる見通しを示しており、今回のレポートと合わせると2年連続前年割れの見通しとなる。なお2008年の売上ランキング見通しで上位10社のうちプラス成長は、1位のIntel(1.1%)、8位のQualcomm(15%)、10位のNECエレクトロニクス(5.3%)のみ。DRAMとNAND型フラッシュの供給過剰と価格下落で、これらを手がけるメーカーが大幅な売上減に直面している。

2009年の大幅下落は避けられない状況だが、一方でGartnerは2001年のテクノロジー産業バブルを引き合いに、08年-09年の落ち込みは数値から受ける印象ほど悲観的ではないと分析する。32.5%減という記録的な落ち込みとなった2001年は、1999年の22%増、2000年の34%増という2年連続の急速な伸びからのクラッシュで深刻なダメージとなった。今回は直前の伸びが比較的穏やかで、前回の教訓も残されている。またテクノロジー産業だけではなく、広範な景気減速であることから、関連産業を含めて在庫がうまく管理・調整されている。そのため2001年よりも、すばやく回復に転じる可能性が高いという。

そのような中で不透明なのが2009年のDRAMだ。18カ月連続の下落を記録しており、リサーチバイスプレジデントのAndrew Norwood氏は「DRAM市場は非常に困難な状況であり、大幅な供給削減、弱小サプライヤーの淘汰は避けられない。2009年下半期にDRAM価格が安定するのが、2009年全体の半導体売上の下落を和らげる条件になる」と述べている。

現時点でGartnerは、2010年に前年比14.6%増の2512億ドルと成長に転じ、2011年は同9.4%増の2749億ドルになると予測している。