米Salesforce.comは8日(現地時間)、クラウドコンピューティング環境におけるアプリケーション開発を支援する「Force.com for Google App Engine」の無償提供を開始した。Salesforce.comおよび米Googleそれぞれの開発者向けサイトから利用できる。

今回発表した開発環境は、新しいタイプのWebアプリケーションおよびビジネスアプリケーションの構築をクラウドコンピューティング環境で実現するツールおよびサービスのセット。Pythonで開発したアプリケーションから「Force.com」のデータやサービスにアクセスできるのが大きな特長であり、以下の機能を実現できる。

・クラウドコンピューティング環境でのPython使用により、Force.comのデータベース/ワークフロー/ロジック機能の直接利用
・App EngineアプリケーションからForce.com API経由でのForce.comの読み取りと書き込み
・モバイル/分析/セキュリティ/共有モデルやユーザー認証、多言語/多通貨サポートなど、Force.comの各種サービスや機能へのアクセス

開発者は自分のクライアントやサーバを保守管理せずに、GoogleとSalesforce.comが提供するクラウドコンピューティング環境を利用して新しいアプリケーションをWeb環境で構築・実行・提供できるという。開発したWebアプリケーションは構築・保守が容易であり、トラフィックやデータストレージのニーズの向上に応じた拡張も可能という。

今回発表の開発環境はユーザーガイド、Pythonライブラリのドキュメント、Force.comにアクセスするためのPythonコードのサンプル、提供ライブラリのテスト環境、「developer.force.com」のWiki FAQページ(成功事例/最新のヒント/コツなど)へのアクセスで構成する。開発者コミュニティとライブラリにより、コンシューマー向けのインタラクティブなWebアプリケーションをサポートするとしている。