日本ヒューレット・パッカードは、 10月1日にHPが買収したコルブリス・ネットワークス社の32製品を同社のネットワーク製品群「HP ProCurve」に統合すると発表した。また、同時に802.11nに対応したワイヤレス・アクセス・ポイント「ProCurve MSM410」および「ProCurve MSM422」を発表した。

製品マトリックス

米HP アジアパシフィック&ジャパン プロカーブ ネットワークビジネス バイスプレジデント&ゼネラルマネージャのルイス・アウ氏

コルブリス・ネットワークス社は、2000年に創立された米国マサチューセッツ州に本社があるワイヤレスLANに特化したネットワークベンダーで、商用航空機に導入されている唯一のデュアル無線Wi-Fiソリューションを導入しているメーカーだという。ほかに鉄道、病院、サービスプロバイダ市場など、エンタープライズ向けのWi-Fiソリューションに強みを持っている。

米HP アジアパシフィック&ジャパン プロカーブ ネットワークビジネス バイスプレジデント&ゼネラルマネージャのルイス・アウ氏は、HPがコルブリス・ネットワークスを買収した理由について、「アーキテクチャや技術の方向性のすべてが、HPのProCurveがこれまで追求して来たものと非常に似ており、シームレスに統合できる。

日本HP プロカーブ・ネットワーキング・ビジネス本部 本部長 芝原房夫氏

また、コルブリス・ネットワークス社は、業界標準の技術を採用しており、ユーザーにマルチベンダーのソリューションで多くの選択肢を提供できる」と述べた。また、同氏は買収の効果について「ProCurveのラインナップとして802.11nの製品を加えることができ、ユーザーに強いポジションで、ソリューションを展開できる」と語った。

日本市場について、日本HP プロカーブ・ネットワーキング・ビジネス本部 本部長 芝原房夫氏は、「HPの一次店40数社および2千社以上の2次店のパートナーとともに、サービスプロバイダ、運輸業、製造業、教育機関を中心にEND-to-ENDのソリューションを展開していきたい」と述べた。

ProCurve MSM422を手に説明する日本HP プロカーブ・ネットワーキング・ビジネス本部 プリセールス テクニカル コンサルタント 的場晃久氏

日本HP プロカーブ・ネットワーキング・ビジネス本部 プリセールス テクニカル コンサルタントの的場晃久氏はコルブリス・ネットワークス社製品の強みについて、アクセスポイント側にQoS、セキュリティ、ネットワークポリシーの適用ができ、スイッチやバックボーンネットワークに負荷をかけない点(最適化)、SSIDにQoS、帯域幅、VLAN、セキュリティポリシーをひも付けて、ユーザー、グループ、アプリケーション、端末などの違いを、SSIDを分けることにより対応できる点(複数サービス)、キャッシュ機能により、電車での移動などのローミングが50ミリ秒以下でスムーズに行える点、有線を使うことなく無線AP同士が無線通信し、自動的に発見・リンクを行うローカルメッシュ機能を持っている点の4つを挙げた。

最適化無線LANアーキテクチャ

複数サービス

高速ローミング

ローカルメッシュ

新たに発売される「ProCurve MSM410」「ProCurve MSM422」は、日本HP初の802.11n対応ワイヤレス・アクセス・ポイントで、両方とも屋内設置を想定している。

「ProCurve MSM410」は、802.11nドラフト2.0に準拠し、最大理論値300Mbpsに対応した、シングル無線のアクセスポイント。ホテル等でアクセスポイントだとわかるといたずらされる危険性もあるので、アンテナを筐体内に内蔵し、コンパクトで無線LANアクセスポイントを意識しないデザインを採用している。2009年3月下旬販売開始予定で、販売予定価格は9万9,330円(税込)となっている。

「ProCurve MSM410」

一方の「ProCurve MSM422」は802.11nドラフト2.0に準拠し、最大理論値300Mbpsに対応した、デュアル無線のアクセスポイント。デュアル無線の一方が11n/a/b/g、もう一方が11a/b/gをサポート。フラップ型アンテナを搭載し、オプションで外部アンテナも可能となっている。販売開始は2009年2月下旬を予定し、販売予定価格は15万2,880円(税込)となっている。

「ProCurve MSM422」