大日本印刷(DNP)は10月24日、パソコンやタッチパネルなどの表示画面への傷や汚れを防止するフラットパネルディスプレイ(FPD)用表面フィルム「ハードコートフィルム」を開発したことを発表した。2008年11月よりサンプル出荷を開始し、2009年4月より販売を開始する。

従来のハードコートフィルム(左)と新規に開発されたハードコートフィルム(右)(従来は2H~3H程度の硬度が限界だった)

同フィルムは、LCDの偏光板に用いられるTACフィルムと、タッチパネルの部材に用いられるPETフィルムを基材にした2種類が用意されている。コーティング層に使用する紫外線硬化樹脂とナノ粒子を開発したほか、それらの材料の配合・分散を最適化し、コーティングプロセスを制御したことで硬度5Hを実現した。

また、独自の撥油性を含有しているため、指紋や油などの汚れが付着しにくく、容易にふき取ることが可能となっている。

なお、DNPでは、高硬度が要求されるノートパソコンやタッチパネル方式のゲーム機やPDAなどの携帯端末向けに販売を行っていくとしており、テレビの反射防止や防眩機能を有する表面フィルムにも応用していく予定で、これらを含めた高硬度表面フィルム全体として2010年度で100億円の売り上げを目指すとしている。