モバイルコンテンツ制作などのメディアインデックスは23日、スポンサー企業広告を中面に掲載するため年賀状代が無料になるサービス「tipoca(ティポカ)」の受付を開始したと発表した。PCか携帯でtipocaのサイトにアクセス。住所や必要な枚数を登録すれば、切手付きの年賀状が送られてくる仕組み。同社では、2009年正月の需要を約1,000万枚見込んでいる。

「tipoca」の表面

表面の左端をめくると、中面には上のような広告(サンプル)が掲載されている

メディアインデックスによれば、2008年の年賀状の発行枚数は39億1,650万枚で、追加発行分も含めれば約40億枚を超える。同社社長の加納伸之氏は「この40億枚という数をビジネスチャンスにつなげられないかと考えた。これまで年賀状の裏面を広告にしたサービスはあったが、中面広告はなかったのでサービス化を決意した」と話す。

「tipoca」サイトのトップページ画面(PC版)

利用方法は、PCか携帯でtipocaのサイトにアクセスし、住所や性別、年賀状の希望枚数など必要事項を入力。登録した後に、メディアインデックスから切手付きの年賀状が送られてくる仕組みとなっている。

ユーザーは送られてきた年賀状の表面と裏面に宛名や文章などを自由に記載できる。インクジェット対応紙を使用しているため、自宅のプリンタで宛名やデザインを印刷することが可能。そのままポストに投函すれば、中面広告付きの年賀状が宛先に届く。

PCか携帯でtipocaのサイトにアクセスし、住所や希望枚数などを入力。登録した後に、切手付きの年賀状が送られてくる仕組みとなっている

法人は申し込めず、あくまで個人の年賀状ユーザーが対象。申し込み枚数は1人20~160枚となっており、同社によればすでに2万枚の申し込みがあるという。

中面広告は表面の端からめくると出てくる。正月にちなんだ商品やサービスを提供する企業の広告を掲載。具体的には、ピザや寿司などの宅配チェーン、英会話などの学校(「今年こそ英会話を始めよう」など)、お正月映画などの映画、初売りなど百貨店などを想定しているという。

23日にサービス開始の記者会見を行った、メディアインデックスの加納伸之社長

23日にサービス開始の記者会見を行った加納社長は、「若者などの間では、いわゆる『あけおめメール』で済ます傾向もあるが、年賀状代を無料にして若者の間に普及させることで、日本の伝統文化を残していくことができる。当社サービスのユーザーの主な世代である20代後半~30代の積極的な利用が見込まれる」と説明。

「弁理士に確認したところ、葉書の裏面ではなく中面に広告を掲載する葉書は世界初で、現在特許を出願中。2009年正月の需要は、約1,000万枚を見込んでいる」と話した。

スポンサー企業の協力により、葉書20枚につき、ポリオワクチン1人分が寄付される仕組みも導入。「企業のCSR活動にも貢献することができる」(加納社長)としている。

また、1等100万円(1,000万枚流通した場合20本)、2等10万円(同200本)、3等1万円(同2,000本)のお年玉くじが抽選で当たるようになっている。

現時点ではスポンサー企業はまだないが、「年賀状をもらって喜ばない人はいないし、それを捨てる人もいないという面を考慮すると、tipocaは非常に効果的な広告メディア。当社のユーザーの約85万人への告知から初め、最大200万人のユーザーの利用を見込んでいる」(加納社長)としている。