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Web 2.0にならぶバズワードといえば、最近ではクラウドコンピューティングということになるだろう。Google App Engineがもたらしたインパクトは大きい。使える言語がPythonに限定されているうえにまだ実験的な提供であるため本格的に開発プラットフォームとして採用するには検討が必要だが、実験的に使ってみる分には興味深いプラットフォームには間違いない。

クラウドコンピューティングの定義は人や会社によってまちまちだ。定義のひとつとして、SitePointのWhat Makes the Cloud the Cloudで紹介されている定義を紹介したい。ニューヨークで開催されたWeb 2.0 ExpoセッションでAlbert Wengerから発表された定義と紹介されている。簡単にまとめるとクラウドコンピューティングは次の4つを満たすものということになる。

  • ポストマシンコンピューティング - クラウドインフラストラクチャをデプロイした後は個人が使うマシーンについては気にかける必要なく活用できる必要がある
  • 設定が不要 - デプロイしたあとは設定などに気をかける必要がないこと。コーディングに集中できるプラットフォームである必要がある
  • スケール - 最初に作成したコードがそのままスケールすること。明確な理由がないかぎり作成したコードは開発者が気にすることなくスケールする必要がある
  • マッシュアップ - Webサービスのマッシュアップが容易にできるプラットフォームであること

Google App Engineが同定義に当てはまるかどうかはもっと明確な定義が必要になるが、Albert WengerではGoogle App Engineは現状でこの定義に当てはまる唯一のクラウドコンピューティングプラットフォームと認識しているようだ。

クラウドコンピューティングは便利で魅力的な選択肢だが、削除権限などが外部の会社に委ねられることなど懸念を示す向きもある。しかしクラウドコンピューティングが便利であり、Google以外の企業も同様のサービスを強化してくる可能性がある。今後さらに多くの議論を経てクラウドコンピューティングそのものに対する認識を強め、必要があれば標準規約を作成していくといった動きが進むことになりそうだ。