米IBMは現地時間24日、サンパウロ(ブラジル)、バンガロール(インド)、ソウル(韓国)、ホーチミン(ベトナム)の新興市場4カ所に、クラウド・コンピューティング・センターを開設したと発表した。同社は世界各地で既に開設した自社およびユーザーのセンターも含めて現在13のクラウド・コンピューティング・センターを設置しており、クラウド・コンピューティング分野における世界最大のネットワークを提供している。

クラウド・コンピューティング・モデルは、企業や消費者が遠隔から膨大なコンピュータ資源にアクセスすることを可能にし、オンラインの医療記録や株式ポートフォリオのモバイル管理など、消費者が求める次世代サービスをオンデマンドで提供できるのがメリット。共用のインフラを活用することでエネルギー効率を改善できるほか、組織がコンピューティング能力やストレージ、サービス、アプリケーションなどにオンデマンドでアクセスし使用した分だけを支払えるよう、より正確な利用状況の追跡記録が可能になるとしている。

同社は1年近くかけて、クラウド・コンピューティングのインフラストラクチャを世界中のユーザーのために構築し、同社のクラウド・コンピューティング環境でプロジェクトを創り上げてきた。これらのセンターは銀行・通信・政府・教育・ホスティングサービスなど、さまざまな業種のユーザーが利用できるという。

また同社は、200人以上の研究者を専任としクラウド・コンピューティングに1億ドルを投資すると発表した。同社は現在、ハードウェア/ソフトウェア/サービスを組み合わせた「ブルー・クラウド(BlueCloud)」を提供中だ。

同社のハイパフォーマンス・オンデマンド・ソリューション事業の責任者であるウィリー・チュウ(Willy Chiu)氏は、「クラウド・コンピューティングは、ITの管理や提供方法に根本的な変化を生み出します。また、クラウド・コンピューティングは、New Enterprise Data Center(NEDC)への変革のための重要な要素であり、特に、成長している経済環境下では、効率的な経営のための強力なツールでもあります」と語っている。