最後にベンチマークを行なって、Aspire oneの基本性能を検証してみよう。Aspire oneのスペックの特徴は、AtomのN270(1.6GHz)が搭載されている点。新型CPUを搭載しているだけあって、速さに期待がかかるところだ。なお、ベンチマークを行なうに当たって、ウイルススキャンなどの常駐ソフトはすべて終了している。
Aspire oneの基本スペック
OS | Windows XP Home Edition(SP3) |
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CPU | Atome N270(1.6GHz) |
チップセット | インテル945GSE Express |
メモリ | 1GB |
HDD | 120GB |
PCMark05
今回は比較用に、過去に掲載した日本HPの「HP2133 Mini-Note PC」のレビュー記事「"ド本命"ミニノートの性能を検証 - 大人気の「HP 2133 Mini-Note PC」を試す」のデータを使った。Aspire one本体だけではグラフィック項目がテストできないため、外部ディスプレイに接続し、1024×768ドットの解像度でベンチマークを実行している。さすがにCPUとグラフィックの数値が、段違いに高い。VIA C7-M(1.6GHz)とAtom N270を比べるのはちょっと酷な気もするのだが、HP2133でコマ落ちしていた動画サイトの動画でも、Aspire oneでは非常にスムーズに再生できた。高画質のムービーでも比較的スムーズで、よっぽど高いスペックを要求するコーデックでもない限り、十分視聴できるだろう。
CrystalMark
総合スコアは、ちょっと前のCeleronマシンと同じレベル。ネット利用やオフィス文書の作成には、まったく問題はないだろう。DirectDrawによる2D描画を表わす「D2D」が意外と高いので、ある程度のゲームなら快適に遊べるカモ。
その他のベンチマーク
3DMark05 の総合スコアは109 3DMARKSで、3D性能はかなり低い。FFBench(Lowモード)のスコアも1427と、快適に遊べる3000の半分にも満たなかった。まあ、ネットブックで3Dゲームを遊ぼうと思うのがそもそもの間違いなのだが、それでも、先のCrystalMarkでも見られたように2D描画性能は比較的高いので、ひと昔前の3Dゲームなら十分快適に遊べるかもしれない。
今回は、起動時間の計測も行なった。電源オンからデスクトップが表示され、カーソルが砂時計から矢印に変わるまでの時間を手動で計測。10回計測した平均値は、1分15秒だった。超高速というわけではないが、このくらいの待ち時間であれば十分及第レベルである。
なお、ベンチマークとはまったく話が異なるが、Aspire oneにはDVD再生ソフトがプリインストールされている。光学ドライブが付いていないのに、だ。これは、DVDの再生も問題なく行なえますヨ、というメーカーの自信の表われなのか? 試しに外付けドライブを接続してDVDを再生してみたところ、コマ落ちがまったくないのはもちろん、巻き戻し/早送りの反応も非常に速く、予想以上に快適に動作した。しかも、光沢液晶なので画面もキレイ。外付けドライブがあるなら、DVD再生マシンとしても利用できる。
まとめ - 「安価なノートPCを求める初心者にはベストチョイス」
Aspire oneはネットブックという位置づけながらも、普段使いのノートPCとして十分実用的に使える性能と快適さを備えている。システムのチューニングを施せば、より軽快に動作するようになるだろう。どこまで軽快にできるか試してみたい、チューニングしがいのあるマシンだ。だがそれだけに、中身をイジれないのが残念。ハードの換装が行なえなければ、チューニングの楽しさは半減してしまう。マニア心をくすぐるマシンなので、そのあたりは今後のモデルで改善してほしい。
ただ、チューニングを行なわない人であれば、同様の製品の中ではベストチョイスの部類に入る。HDD容量が多いのでソフトのインストールも問題なく、画像や文章の作成も比較的快適に行なえるだろう。SSD搭載の高額なマシンはPC中級者以上が使うべきで、初心者で安いノートPCが欲しいなら、断然Aspire oneを選ぶべきである。というか、候補に入れない理由がない、ってのは言いすぎデスカ?