野村ホールディングスは23日、経営破たんしたリーマン・ブラザーズ(以下、リーマン)の欧州及び中東地域における株式部門と投資銀行部門を買収することで基本合意した。英国の金融大手バークレイズと競い合って、買収に成功したもの。買収金額は公表されていない。

これにより、同社とリーマンの欧州・中東地域における株式業務及び投資銀行業務が融合し、同地域におけるトップクラスのビジネス基盤の構築が可能になるとしている。同社はすでに22日に、リーマンの日本、オーストラリアを含むアジア・パシフィック地域部門を買収している。両地域部門買収の相乗効果で、アジア発の世界戦略の実現が加速されると同社ではみている。

この買収の対象となる地域・部門に在籍するリーマンの社員は約2,500名。同社はその大半を引き継ぐ予定だが、トレーディング等に関連する資産と負債は継承の対象外としている。

同社の渡部賢一執行役社長兼CEOは「アジアを中心とする世界への飛躍の実現がより確実なものとなるに違いない。現時点で、最も重要なことは、リーマンの両部門が業務を即刻再開し、野村グループの一員として活躍してくれることである」と語った。

北米部門はすでに破たん翌日の16日にバークレイズが買収しており、リーマンは破たんから約1週間で主要地域の買収先がすべて決ったことになる。