東芝は18日、映像事業の新戦略と液晶テレビ、DVDレコーダー、ハードディスクレコーダーの新製品発表会を開催した。

藤井美英 東芝デジタルメディアネットワーク社 社長

藤井 東芝デジタルメディアネットワーク社 社長は、「ポストHD DVDということで、必死になって戦略立案と製品開発に時間を費やしてきました。本日、ついに新しい映像製品を発表する運びとなりました」と挨拶。世界の市場動向と、新戦略の概要について語った。

「世界の液晶テレビ市場におけるシェアは、2004年度の約4%から2008年度 約8%へと順調に推移しています。2010年度は"世界シェア10%"を目指します」と語り、新事業戦略として「記録メディアやインターネットに依存しない、メディアインディペンデントな応用製品を追求していきます」と説明、「未練を断ち切って、東芝の強みであるフラッシュメモリなどを使った製品を中心に取り組んでいきます」と宣言した。

メディアインディペンデントの解説図

「REGZA」立ち上げ以降、順調にシェアを拡大

テレビ事業部 事業部長

大角正明 テレビ事業部 事業部長は、テレビ市場の動向について説明。「2007年までは世界市場は堅調に拡大したが、五輪需要は期待外れに終わりました。欧米経済は様々な問題を抱えており、現在の市場環境だと今後は厳しくなる見通しです。世界需要は2008年に1億台、2010年に1億3,000万台を見込んでいます」と予想した。また国内の顧客満足度の高さについて強調。「2007年下期に、首位を獲得しました」と発表。勝因として高画質、HDD録画を挙げた。2008年下期は、国内においてシェア20%を目指すという。

新機種では、「REGZA」の全ラインアップをフルモデルチェンジすると発表。開発に約10年を費やした「超解像技術」を搭載。「入力された映像信号から、足りない画素を予測して補完。さらに元の画像と比較して、生じた差を検出して補正をかけていく原理」と解説した。これにより「フルハイビジョン画質に満たない映像においても、高画質映像を再現できます」と自信をみせた。

REGZAブランドは「本質感・卓越間・高質感」がテーマ

世界に先駆けて超解像技術「レゾリューションプラス」を搭載

顧客満足度は、2006年より3位、2位、1位と伸びている

「おまかせドンピシャ高画質」の採用で消費電力を削減

デジタルAV事業部 事業部長

続いて、下田乾二 デジタルAV事業部 事業部長が、技術開発の方向性について「日本特有である録画機中心の市場で、インターネット対応のデジタル放送録画機を投入していきます」と語った。これを支える高精細技術「XDE」について「圧縮したデジタル信号を復号する過程で、輪郭情報の補正とノイズを抑える映像処理行なうもの」と紹介した。今後の戦略を「2011年のアナログ完全停波を控え、これからは簡単操作がポイント。VARDIAの高機能は継承しながらも、操作を簡単にしていきます」と説明した。

コンテンツディストリビューション形態の解説図

新VARDIAの4つのポイント

アップスケール後に色調補正やコントラストを行い高画質化を図る

従来の6倍録画から7倍録画へ進化

あわせて、同社映像事業の新プロモーション策を発表。CMキャラクターには、福山雅治を起用。第一弾CMのも公開された。コミュニケーションコンセプトは「X CROSS digital」で、映像新戦略から生まれる商品をデジタルが持つ無限の可能と重ね合わせた言葉とのこと。

第一弾CMイメージ

X CROSS digitalのコンセプト