バス共通ICカード協会は11日、IC乗車券「PASMO」と「Suica」でバス(都電荒川線を含む)に乗車の際、運賃の取り過ぎがあったと発表した。2007年3月の導入から7月31日までの推計で、約6万件、過収受総額は約1,110万円にのぼる。発生率は1万件に約2回、1件あたり約185円になる。8月以降についても現在調査中。

ICカードと読み取り器の接触が不十分な場合、再タッチするよう表示されるが、再タッチ前に乗務員がリセットボタンを押して取消操作をすると、運賃が2重に引き落とされるという。同協会では2007年5月に、加盟事業者に対して誤った取消操作を行なわないよう周知し、同年12月にはエラー音を変えて再収受防止に努めた。だが、今年8月に乗客からの指摘を受け、その後もほぼ全事業者で運賃の取り過ぎが発生していることが判明した。

同協会では、乗務員に対する指導、教育の不徹底が原因だとして、8月以降、事業者に対し車載器の誤操作防止の指示徹底を図っている。また、誤操作があっても2重取りが発生しないようシステム改修ソフトを作成中で、10月中旬に改修を完了する予定。「これによって、今後こうした不具合は発生しない」とのことだ。この件については、バス車内やホームページに案内を掲示するほか、現在各事業者からデータを集め、17桁のカード番号によって2重取りがなかったか確認できるシステムを構築中だ。

システムが完成する19日からはフリーダイヤルによる問合せ窓口を開設、電話で確認できるようになる。利用履歴を確認して2重取りが判明した場合は、返金される。問合わせは月曜から土曜の9:30~17:00の間で受け付ける。