北京五輪に出場した為末大とサッカーアナリストの前園真聖がパーソナリティを務めるTOKYO FM「オークネット presents 『週末ランニング部』」(毎週金曜日17:00~17:25、放送中)の収録が4日、行われた。400メートルハードルと4×400メートルリレーの2種目に出場した為末が、北京五輪での本音を語った。

ラジオ収録の様子。左から為末大、前園真聖

北京五輪後、初のラジオ収録となる今回だが、為末はシドニー、アテネに続く3度目の五輪出場について「もうちょっとうまくいくと思った」と苦笑。「5月まで両ひざのケガにずっと悩まされていて、日本選手権(日本陸上競技選手権大会)で選ばれたのも正直『よく通ったな』というところ。北京五輪でも"いける"という手ごたえは持てなかったですね」と胸中を明かした。そのほか、収録では不安の中で北京入りことや競技4日前の調整練習での満足のいかないタイム、今までになく緊張した競技前日など、包み隠さず北京五輪での本音を披露した。

為末「ナイターの競技でライトを使用しているのに"鳥の巣"で虫を1匹も見ていないですよ。あれはなんででしょうかね~(笑)」

ぎりぎりで為末の出場が決定した決まったマイルリレー(4×400メートルリレー)については「当初、メンバー発表で外れていたんですが、金丸選手が肉離れを起こしてしまい、『為末、行くぞ』ということに……。周りの人も僕が出るとは思っていなかったので、僕が走るまでは『金丸選手が気合をしれて坊主にした』と思っていたそうです。ま、結果的に2回も走らせていただいてよかったです」とユーモアを交えて語った。

専門の400メートルハードルで惜しくも予選敗退という苦汁を嘗めた為末だが、北京五輪を振り返り、「結果を求められる五輪で、結果をお返しすることはできなかったけれど、今持っている力を出し切れ、非常に満足できました。レースは色々な思いでとても感慨深かった」とさわやかな笑みを浮かべた。今後、陸上競技を続けていくかについては「走りたいか走りたくないかで迷っているのではなく、走れるかどうかという点で、身体と心の折り合いがつくか。それが(陸上を続けるかどうかの)決め手だと思います。また職業として成り立つのかどうか。まったく走れない選手がプロではないと思うし」と、自らコーチと選手の2役を担う為末らしい冷静なコメントが述べられた。

為末の言葉を巧みに引き出す前園

為末を"大ちゃん"と呼び、収録で為末の素直な言葉を引き出していた前園は、北京五輪に現地レポーターとして活躍。「僕はサッカーばかりで、"鳥の巣"(北京国家体育場)には最後にやっと入ったぐらい。大ちゃんの競技も見れませんでした。でも、水泳、ホッケー、シンクロ、ソフトボールなど色んな競技が見られてよかった」と語り、「2016年はぜひ日本での(五輪)開催を見たい」と翌年の2009年に決定される2016年の五輪開催地について思いを馳せた。

左から為末大、前園真聖。手に持っているTシャツは同番組のオリジナルTシャツ。「ON YOUR MARK」は「位置について」の意味

今回の収録は9月5日、12日、19日の3回にわけてOAされるとしている。