西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)は11月、山陰本線の安来~松江間が開業100周年を迎えることを記念して、3種類のリバイバル列車を運行する。気動車急行の「だんだんさんべ」号、客車急行列車の「だんだん山陰」号、お座敷座席の気動車による「だんだんお座敷」号だ。各列車とも全車禁煙の指定席で、運行日の1カ月前の10時、全国のみどりの窓口にて指定席券を発売する。

急行「だんだんさんべ」号はキハ28+キハ58で運転

急行「だんだんさんべ」号は、1997年に廃止された急行「さんべ」号を再現したもの。さんべ号は山陰地方と北九州を結ぶ急行列車で、編成を途中の長門市駅で分割し、美祢線と山陰本線を走行した後、下関駅で再び連結するというユニークな運行形態で鉄道ファンに人気があったという。しかし今回は山陰線の記念列車のため、運行は米子 - 大田市間のみとなる。なお大田市駅は、列車名の由来となった三瓶山のふもとにあるとのことだ。11月15日と16日の運行で、下りは米子駅を8:55に発車し、大田市駅には13:18に到着する。上りは大田市駅を13:47に発車し、米子駅には16:06到着となる。車両は国鉄色のキハ28とキハ58の2両編成だ。

急行「だんだん山陰」号は14系客車で運転

座席はリクライニングシート

在りし日の「山陰」号のヘッドマーク

機関車は当時と同じDD51形を使用

急行「だんだん山陰」号は、出雲市と京都を結ぶ夜行普通列車「山陰」号を再現。山陰号は座席車と寝台車で構成され、1985年に廃止となった。「だんだん山陰」号は急行運転となるが、14系座席客車を使用し、DD51形ディーゼル機関車が牽引して当時の雰囲気を再現するとのことだ。下りは11月7日に京都駅を23:10に発車する夜行列車で、終点の松江駅には翌朝の10:42に到着する。上りは松江駅を9:36に発車する昼行列車で、京都駅には21:55に到着する。

快速「だんだんお座敷」号は、国鉄時代末期の1986年に登場した団体専用のお座敷列車を再現する。「だんだんお座敷」号は団体扱いとせず、誰でも乗車券とグリーン指定席券を購入することで乗車できるという。運行は11月22日~23日の3日間。ダイヤは「だんだんさんべ」号同じで、下りは米子駅を8:55に発車し、大田市駅には13:18に到着。上りは大田市駅を13:47に発車し、米子駅に16:06に到着する。車両はキハ58を改造した「ほのぼのSUN-IN」の2両編成を使用する。

「だんだんお座敷」号は気動車2両編成

室内は畳敷きで座椅子が用意される

JR西日本によると、各列車の愛称に付いている「だんだん」は山陰地方の言葉か由来で、「ありがとう」という意味で、100周年を迎えた感謝の気持ちを込めたという。各列車とも安来・揖屋・松江などで約20分~60分の長時間停車となっており、記念列車の歓迎イベントを検討中とのことだ。

また、この記念列車とタイアップして、出雲市と松江しんじ湖温泉を結ぶ一畑電鉄でも旧型車両「デハニ52 形」「デハニ53 形」を重連で運行予定。同車両は2009年3月に引退予定で、現在は鉄道ファン向けの団体専用となっているが、当日は予約定員制となり、フリー乗車券を購入すれば乗車できるとのこと。予約受け付けは10月1日の朝9時~。