新生"イカ天"キングは「atamaz」の5人に

そんな3時間以上に及んだ激戦の中、頂点に立ったのは"エレクトロ・エモーショナル・バンド"を自称する西東京出身の5人組のバンド「atamaz」だ。優勝賞金の100万円を手渡した後藤次利審査委員長は、「全体的にレベルが高い争いだったが、総合点でatamazを選んだ。演奏もアレンジも良かった」と評した。また、今回のインターネットの動画投稿を使った新しいイカ天のオーディション形式に対しては、「どこからでも応募できるというスタンスの軽さは素晴らしい。動画のオーディションはとても面白い発想」と大歓迎。その一方で「映像に凝っていて、すごいな、と思ったのに、目を閉じて聞くとそうでもなかったり、音そのものがわからなくなるときがあるのが難しかった」として審査には苦労もしたという。

グランプリを獲得したのはatamaz。優勝賞金の100万円の使い道はメンバーの大半が「肉!」と言ったが、ボーカルの西さんだけは「これでバイトしないで音楽に打ち込みたい」とした

また、新生イカ天キングに立ったatamazのボーカルの西さんは、かつてのイカ天については29歳という年齢だけに「そんな番組があったなぁ、としか覚えていない」として印象は薄い様子。だが、歴代イカ天キングがスターになってきたことを聞かされると、「僕らもなります!」と力強く答えて「やはりライヴを繰り返して、良い曲をひたすら作っていきたい」と抱負を語ってくれた。

参加バンドを脇に従えて演奏するatamaz

審査委員長の後藤氏とatamazのメンバー。参加の動機は「PVを作ってくれた知り合いの映画監督が応募してくれたので」とか。それに対して後藤氏から「ちゃんと分け前あげろよ」とツッコミも

グランプリ以外の賞としてはベストボーカル賞にソウルフルに熱唱したユカリ、ベストパフォーマンス賞に優柔不断なトークとは裏腹の熱い演奏で魅せた近視featuring乱視、そして審査員特別賞にマーティが「アメリカじゃ考えられない」と絶賛したオバメタル・ライジングを選出。ほかにチャンピオンシップへの参加には至らなかったが、動画投稿形式ならではの賞であるベストPV賞にストロベリーソングオーケストラの「真夏の手鞠歌」も選出された。

いずれの審査員からも曲の構成のユニークさを褒められた近視featuring乱視の演奏。品田氏は「バンドらしいバンドで良かった」とコメント

ソウルフルなユカリのボーカルには審査員たちも大絶賛。「もしアルバムがあったら、ずっと聞いていたい」とは千秋

ラストを締めたのは、かつてのイカ天のなんでもあり感を象徴するようなサンドイッチで120分? 打ち込み系サウンドでユニークなパフォーマンスを披露した

ベストPV賞を獲得したストロベリーソングオーケストラの「真夏の手鞠歌」は会場でビデオが上映された

なお、このグランドチャンピオンシップの模様は8月29日からMSNにて公開される。