「Half Slim」という新しい規格のSSD製品が、Samsung電子から発表された。

Half Slim SSDとは、その名の通り、コンパクトなサイズのSSDのことを指す。同社によると、これは「既存の2.5インチSSDの約3分の1、1.8インチSSDの約2分の1の大きさの、超軽量製品」ということだ。こうした規格のSSDを開発したのは同社が「初めて」(Samsung電子)ということで、「JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)に提案し、現在世界標準化のための手続きを行っているところだ。

Samsung電子が開発した、低用量・高機能のHalf Slim SSD

今回開発されたHalf Slim SSDの容量は、8/16/32GBの3種類。16GbitのMLC NANDフラッシュメモリを適用しており、8GB SSDには単独のMLC NANDフラッシュを4つ、16GBには2段積層のNANDチップを4つ、32GBには4段積層のNANDチップを4つ、それぞれ適用することで、面積や重さを最小化している。

32MBのDRAMをバッファメモリとして活用しているほか、「現在量産中の128Gb製品に適用した、高性能なSATA IIコントローラー技術」(Samsung電子)にも対応しているので、素早い読み込みおよび書き込みが可能だ。とくに32GB SSDは連続読み込み速度が90MB/s、連続書き込み速度が70MB/sとなっている。

このように高性能かつ低容量のHalf Slim SSDは、9月から量産が開始される予定だ。現在は「PATA方式が大部分を占める」(Samsung電子)という、低容量のノートPCにおける採用が拡大すると、同社では見込んでいる。そうした意味でHalf Slim SSDは、高性能・高容量のプレミアム製品とは差別化されるものであり、同社のSSDラインナップの幅をより広げるものとなる。

Samsung電子では2006年、UMPCに16GB/32GBのSSDを搭載したのを皮切りに、2007年には64GB SSD量産、2008年には128GB SSD量産、および256GBのSSDを開発するなど、これまでSSDの開発・生産を活発に行ってきた。同社によると、低価格ノートPC用SSD市場は「2011年まで数量基準で年間57%の成長を実現する」ということで、新しい低価格のSSD開発にも力が入っているようだ。