米Tektronixの日本法人である日本テクトロニクスは27日、高速シリアルインタフェース用計測ソリューションをユーザーに提供する拠点「T&M Center of Excellence(T&M CoE)」を東京品川の本社内に開設したことを発表した。主に機器が認証を受ける前の時点での検証用などでの使用を見込んでいる。

同施設は、インタフェースのパラレルからシリアルへの移行によるデータ転送レートの高速化に対し、より複雑化するシステムのテストを同社のエンジニアのサポートにより体験できるというもの。同社営業統括本部 営業技術統括部 統括部長の平間裕治氏は「高速シリアル通信の現況を知りたい人であれば誰でも使用してもらうことができる施設」とし、「複雑化するシステムに対しユーザーだけではどのような装置やケーブルが必要になるのか分からなくなってきている。こうした施設を使うことで、最新のソリューションの理解を進めてもらい、ユーザーの測定課題の解決をサポートするのが狙い」と語る。

日本テクトロニクス本社内に開設されたT&M CoEの入り口

施設の広さは48平米で、同社のデジタル・シリアル・アナライザやロジック・アナライザ、任意信号発生器、データ・タイミング・ジェネレータなどが設置されており、ユーザーはこれらを用いて波形の計測などを行うことができる。「静電対策には特に気を使った」(同)としており、施設内には静電対策用のウェアやスリッパ、手袋、マットなどが用意されているほか、椅子や机まで静電対策が施されており、イオネータも設置されている。

使用する装置は各ソリューションに応じて使い分けることとなるが、こうした対応も日本テクトロニクスがサポートしてくれる

設置されている設備は、HDMI(ソース、シンク、ケーブル)、SATA(PHY、TSG、OOB、RSG/RMT、Tx/Rx、SI)、PCI Express(物理層)、DDR、USBなど各種のソリューションに対応しており、今後もユーザーのニーズを見て、対応ソリューションは拡大していく計画だ。

同施設を使用するには、同社の営業経由もしくはコールセンター経由による事前予約が必要だ。予約申し込み時に、同社によるコンサルティングが行われ、それぞれの案件に適任なエンジニアなどが対応を行うという。なお、施設の使用は無料となっている。

同社では、今回のT&M CoEの開設に続き、9月末には同社大阪営業所内に機能を限定したサブセンターを開設することを予定している。また、この取り組みを世界的に広める計画で、9月中の米国オレゴン州ビーバートン、同カリフォルニア州サンタクララ、中国の上海、台湾の台北の各拠点での開設を予定している。

なお、同社では同施設の開設を記念して、8月28日と29日の2日間、10時から17時の間、誰でも自由に施設を見学できる「T&M Center of Excellence オープン・ハウス」を開催する。