東京ビッグサイトで開催されたワイヤレスジャパン2008でエイビットは、"フリスクケースサイズ"の小型PHS端末「ストラップフォン」の試作機やW-OAM typeGのW-SIMなどの展示や、PHSモバイル・セントレックス技術の実演などを行った。

エイビットブース外観

ストラップフォンの筐体と基板。非常に小さい

ストラップフォンの拡大写真

来場者に配られていた、ストラップフォンを模したフリスクケースとフリスク

ストラップフォンは、清涼菓子「フリスク」のケースと同じサイズで作られており、担当員によると、初めに端末のサイズを決め、そこに製品としての仕様や機能の詰め込みを行ったという。

既に基板や本体外装などはほぼ完成しており、あとはソフトウェアが完成すれば動作する状態とのこと。心臓部のPHSモジュールは同社が得意とするW-SIMではなく、基板に実装したものが使用されている。Bluetoothも内蔵し、ヘッドセットプロファイルなどが使えるという。

これまで同社は大手メーカーへ通信モジュールを供給する事が多く、端末を制作する事はあまりなかったそうだが、大手メーカーの撤退や合併など供給先が縮小していくここ数年の流れの中で、自社内で完結出来る製品開発を模索しているところだという。今回のストラップフォンもそういた流れの中での製品開発とのことだ。

展示コーナーでは、ウィルコムの通信規格「W-OAM typeG」に対応したW-SIMモジュールと、W-SIMを応用した発信先固定の緊急用端末として、SOSボタンや屋外設置型のセキュリティポールが展示されていた。加えて、SDカードへ記録した動画コンテンツをワンセグ電波で送信出来るハンディ型ワンセグ送信機「ACS1000」や社内の内線環境をワイヤレス化出来るPHSモバイル・セントレックス技術の展示及び実演などが行われた。

発売時期については現在ウィルコムと調整中とのこと。今年中の発売を目指したいと語っていた

設置型SOSボタン。電池で駆動し、転倒などを検出する傾斜センサを内蔵する

(上)携帯型SOSボタン。ボタンを○や△などに記号化し、操作し易く工夫されている(左)防水加工が施されたセキュリティポール。ソーラーパネルとバッテリーで駆動する

電池駆動も可能なACS-1000。実用送信範囲は3~5m程度。広告や施設案内などへの活用を狙う

内線環境にあわせ、独自仕様のW-SIMが利用出来るPHSモバイル・セントレックス「SIP G/W」

自営専用W-SIMのほか、自営・公衆を切り替えられるデュアル仕様のW-SIMの展示。切り替えの実演も行われた

アルテル製の中国向け端末。ExpressCardスロットに本体が収まるジャストインサイズの通信カードなどが面白い

そのほか、ブース内に設けられたアルテルの展示コーナーでは、中国で発売されているPHSの音声端末やデータ通信カード、PHSとCDMA 2000方式のデュアルモードを搭載した音声端末などが展示されていた。

あるかでぃあ/K-MAX)