米AT&Tは8月5日(現地時間)、新サービスの「AT&T Synaptic Hosting」を発表し、Amazon、Google、IBM、HP、Yahoo!などの競合がひしめくクラウド・コンピューティング市場へと参入した。Synaptic Hostingではサーバ、ストレージ、ネットワークがセットで提供され、例えば金融業界で決算処理が集中する時期、科学技術計算など一定期間だけ膨大な処理が発生するケース、あるいは年末商戦時期のEコマースサイトなど、必要な処理能力に"むら"が発生するソリューションなどでの活用を想定する。こうした場合、使用量に応じて料金が請求されることから、「ユーティリティ・コンピューティング」という名称でも呼ばれている。

AT&Tによれば、Synaptic Hostingは同社の2008年の10億ドルの次世代サービス投資の一環で用意されるもの。2006年に買収した米USinternetworkingの技術を用い、AT&Tが世界5ヶ所に保有する"スーパーIDC"を通してソリューションが提供される。今回のサービスはAT&Tがすでに持っているユニファイド・コミュニケーション、コンテンツ配信、バックアップ/リストアなど、IDCを活用したソリューションの中でも、特にビジネスユーザー向けのメニュー拡充を目指したものとなる。顧客側のメリットとしては、インフラの利用コストを抑えつつ、必要に応じて大きなコンピュータパワーが利用可能な点にある。例えばユーザー事例として米国オリンピック委員会(USOC)のWebサイトが挙げられており、シーズン柄発生する大量のアクセスを捌くのに活用されている。