8月2日17時現在、「NetShare」はApp Storeから削除されています。

App Store登場直後に配信中止になったiPhone用アプリ「NetShare」の販売が再開された。同アプリはSOCKS5プロキシとしてiPhoneとパソコンを接続し、EDGE/3Gを通じたiPhoneのインターネット接続をパソコンと共有可能にする。米国で9.99ドル、日本国内では1200円となっている。

NetShareは7月31日にApp Storeで発売開始されたものの、数時間後に購入プロセスに進めなくなり、そのまま同ストアの登録アプリから消されてしまった。App Storeで配信できる公式アプリには、EDGE/3Gを通じたVoIPアプリが認められないなど、Appleが提携する通信会社のサービスを侵害しないためのルールが設けられている。NetShareは"iPhoneをインターネット接続用モデムにする"という、通信会社やAppleの想定外の利用方法であるため、App Storeの規約に抵触すると判断されたと見られていた。

NetShareを開発したNullriverは「NetShareは、(Appleとの間で)合意した開発者およびApp Storeのどのような規約にも反していない」と主張しており、配信中止後すぐにApple側に再開を求めた。米国時間の1日時点でApple側から配信中止に関する説明は届いていないというが、App Storeでの販売再開によってNullriverの主張がAppleに受け入れられた形になっている。

一方でNetShareに関しては、ユーザー側から使用リスクを指摘する声が少なからずあがっている。App Storeの規約に反していないとしても、米国においてはAT&Tとの契約に違反する可能性が高いというのだ。米国でiPhoneを提供するAT&Tは、エンタープライズ向けのPDAプランで携帯電話をモデルとして利用するテザー(tethering)機能を提供しているが、iPhone用プランでは認めていない。IPhone向けのデータサービスは定額・無制限となっているものの、Net ShareによるiPhoneのモデム化はAT&Tが言うところの"過度な利用"につながるおそれがある。NetShareの利用がきっかけになって、過度な利用に罰金が科されたり、将来データサービスの内容がより制限される可能性が指摘されている。