――もの作りをなさっていくうえでの、金子さんご自身の楽しみというのは、どこにあるんでしょう?

「"自分が好きなものをいつか商品化しよう"という願いが、かなえられる点ですね。そして、原作者の方などにお会いしたときに、"好きでやってるんですよ"というお話をすると、結構気に入っていただいたこともあったり、そういう意味では仕事には違いないんですけど、逆にキャラクター好きでよかったなあと思いますね」

――作品の送り手サイドの方々に、喜んでいただくと。

「それが最高ですね。今回のランバ・ラルとドズル・ザビも版元さんが見た瞬間に、"これはいい"みたいなお言葉をいただきました」

――先ほど、コミック原作にも手を広げられたというお話でしたが……。

「一番最初にフィギュア商品をやらせていただいたのが『ケロロ軍曹』だったんです。当時はまだ、アニメ化も何もなされていなかったんですけれども、原作者の吉崎観音先生や角川書店さんの方々には、大変お世話になりました。きっちりモノも見ていただきましたし、商品を良くしようと取り組んでいただいたので、その出会いもよかったのかなと」

コミック原作者、吉崎観音氏の徹底監修を受けた「Excellent Model Series ケロロ軍曹 HINATA-HEROINES」の日向夏美(写真左)と日向秋(右)。2005年10月発売
(C)吉崎観音/角川書店・サンライズ・テレビ東京・NAS

同じく吉崎観音氏の徹底監修を受けた「Excellent Model Series ケロロ軍曹・2 MYSTIC-HEROINES」の東谷小雪(写真左)、アンゴル・モア(右)。2006年6月発売
(C)吉崎観音/角川書店・サンライズ・テレビ東京・NAS

――『ケロロ軍曹』も、どうしてもおやりになりたいもののひとつだったんですね。

「もともと吉崎観音先生の大ファンで、一緒に仕事ができて、認めてもらって、すごいうれしくて、こういう思いをもっとしたいと思って、そこから結構いろんな作家さんとやりとりさせていただいてます。以前から尊敬していた方たちと、今一緒に仕事させていただけるんですよ。オモチャ会社ってモノ作りをするわけだから、小説のキャラができたり、ゲームのキャラができたり、アニメキャラができたり、いろんな分野と接点があるじゃないですか、それがすごくうれしいですね」

――ファンの方々のそれと近い目線で商品開発をなさってらっしゃるわけですね。

「自分がキャラクターのファンだったり、作品のファンだったりするものですから、逆にそういうファンの方がお買い求めになって、"なんだこりゃ"ってものは作れない、っていうプレッシャーはありますね」