TDKは31日、電子部品、モジュール、システムメーカーである独「EPCOS」と事業統合契約を締結したことを発表した。同契約は、TDKとEPCOSの電子部品事業を統合することを目的としたもの。

第1段階として、TDKはEPCOSの発行済み株式すべてを対象とした公開買い付けを開始し、1株あたり17.85ユーロ(1ユーロ=168円)で現金による買い付けの申し出を行う。この価格は、今回の発表前日のフランクフルト証券取引所(Xetra)における終値に29%のプレミアムを加えた額。これによる株主価値の評価額は約12億ユーロ(約2,000億円)となり、純金融負債、年金債務および少数株主持分を含めると、評価額は約14億ユーロ(約2,350億円)となる。この公開買い付けは、完全希薄化ベースで50%超の最低買付株式数や、監督機関の認可などを条件としている。

同買い付けが成功した場合、TDKは関連する受動部品事業の分割に着手、新会社として「TDK EPコンポーネンツ株式会社(仮称)」を設立し、同社の下で両社の事業の統合を目指すという。なお、この会社分割の実施には、TDKの株主総会の承認が必要となる。

新会社の取締役会は、TDK3名、EPCOS2名で構成され、両社の電子部品事業を統合したビジネスとして経営していくことで合意されている。また、新会社は、すでに確立されているTDKおよびEPCOSのブランドを引き続き使用していくとしている。