米調査会社のForrester Researchは、北米地域でのIT利用実態などを世代ごとに調査分析した最新レポート「The State Of Consumers And Technology: Benchmark 2008」を発表した。全世代を通じてIT利用度が伸びているものの、今後のトレンドを決定づける若年層のパワーが浮き彫りにされている。

同レポートは、米国およびカナダに居住する約61,000名を対象に実施したアンケート調査に基づいたもの。業界の幅広いトレンドをカバーする100種類超の徹底した質問が特徴で、今年で11回目となる同調査は、「North American Technographics Benchmark」調査プロジェクトの一環を成している。各世代の動向を分析することで、企業が消費者へ適切なアプローチを仕掛けられるようにサポートすることが目的とされている。

調査結果によれば、IT利用分野で最も目立っているのは、"ジェネレーションY"や"Y世代"と呼ばれる18~28歳の年齢層。Y世代の米国内人口は約3,800万人と、それほど多くはないものの、PC所有率は9割、携帯電話所有率は8割を超えるなど、IT利用度が非常に高いとされている。特にインターネットの利用に至っては、テレビの視聴時間を上回っており、オンライン動画を毎月視聴しているとの回答者は4割を超えたようだ。

同社主任アナリストのCharles Golvin氏は「Y世代が今後の売上を伸ばすカギを握っているため、多くの企業が先を争って(Y世代の)理解に努めている。Y世代とは対照的な存在として、"X世代"があり、その相違点を問われることが非常に多くなっているものの、今回の調査レポートで、この点が明らかになっている。X世代は、ライフスタイルのニーズを満たすためにITを活用するが、インターネットが身近な存在であったY世代にとって、もはやITは、常に生活の奥深くに、あらゆる形で浸透しているものなのだ」とコメントしている。

一方、"ジェネレーションX"と呼ばれる29~42歳のX世代の回答者は、過去3カ月以内にオンラインショッピングを利用した人が69%、ネットバンキングを利用した人が65%と、どの年齢層よりも利用率が高い。ブログを読むX世代は21%、携帯電話でメールをするX世代は49%と、いずれもY世代よりは利用度が低いものの、昨年の調査時点よりも着実に利用が伸びており、米国内人口にして約6,300万人を占める、大きな影響力のあるX世代の分析も欠かすことはできないとしている。