Samsung電子とLG電子の第2四半期の業績が出揃った。

携帯電話部門が不振 - Samsung電子

Samsung電子は、本社基準の売上額は18兆1400億ウォン(1兆9175億2359万円/1円=0.1057ウォン)、営業利益は1兆8000億ウォン(1902億7247万円)だった。営業利益は前期比で2600億ウォン(274億8380万円)程度減少した。

減益の理由として同社は「世界的な景気停滞による需要不振、原油価格高騰による原材料価格上昇、マーケティング費用増加」といった項目を挙げている。

好調だったのはLCD部門だ。売上額は前期比9%増、前年同期比41%増の4兆7000億ウォン(4968億2258万円)、営業利益は前期比1%減であるものの前年同期比では244%増の1兆ウォン(1057億692万円)を記録し、「2期連続で1兆ウォン代の営業利益を達成」(Samsung電子)する結果となった。

これは大型パネルが、前期比11%増の2540万台を売り上げたおかげといえる。時期的には閑散期だとはいうものの、これほど売り上げた背景には「LCD TV業界で1、2位のSamsung電子のテレビ部門と、Sonyなどの安定的な顧客基盤を確保」(Samsung電子)していたためと、同社では分析している。

逆にやや不振だったのは、同社の稼ぎ頭である携帯電話を含む情報通信部門だ。

売上額は、前期比2%増の6兆1400億ウォン(6490億4056万円)、営業利益は前期比15%減の7900億ウォン(835億846万円)。携帯電話の販売量は4570万台で、4630万台だった前期よりも減少している。

Samsung電子では2008年上半期に「Soul」「OMNIA」といった、戦略的なプレミアム携帯電話を連続して発表したが、これに伴うマーケティング費用が増加していることが、今回の実績に響いたようだ。ただし、こうしたプレミアム携帯のおかげで1台あたりの平均販売価格は、前期比1.4%上昇の143米ドル(1万5200円/1米ドル=106.68円)を記録したという。

さらに不振に拍車をかけてしまったのが、家電製品を含むデジタルメディア部門だ。売上額は2兆5600億ウォン(2705億8436万円)で前年同期比15%増加したものの、営業利益は1600億ウォン(169億1152万円)の赤字。同社ではこれについて、価格競争の激化や原価上昇などを挙げている。

このほか半導体部門では、売上額は前期比4%増の4兆5800億ウォン(4840億9234万円)、営業利益は同38%増、前年同期比では18%減の2700億ウォン(285億3819万円)を記録した。メモリ自体は閑散期ではあるものの、51ナノNANDフラッシュなどの比重が拡大したことが貢献したようだ。またシステムLSIでも、スマートカードやICなどの需要が「相対的に伸びている」(Samsung電子)ということで、大幅ではないものの前期比での実績を伸ばすことができた。

今回のSamsung電子の実績を見てみると、やはり期待の情報通信部門が不振だったというのは痛い。しかしマーケティング費用をかけただけに、今後はその分の成果も見込めるという意味では十分に希望はある。第3四半期に期待したいところだ。また赤字のデジタルメディア部門は今後、改善のためのいっそうの努力が必要となりそうだ。

Samsung電子の、2008年第2四半期の売上額

Samsung電子の、2008年第2四半期の営業利益