米Yahoo!は7月22日 (現地時間)、2008年第2四半期 (4~6月)決算を発表した。米国経済の減速、製品開発コストの増加などから利益がアナリストの予測を下回ったが、CEOのJerry Yang氏は「長期的な成長を実現し、株主価値を最大化できる位置にある」と改革への投資の正しさを主張している。

第2四半期の売上高は17億9800万ドルで、前年同期の16億9800万ドルから6%増加した。トラフィック獲得コスト (TAC)を除外した売上高は13億4600万ドルで同8%の伸びだ。

事業別では、マーケティングサービスの売上高が15億8700万ドルで、前年同期比7%増。内訳はYahoo!が運営するサイトからの売上高が10億1600万ドル (前年同期時14%増)、アフィリエイトサイトからの売上が5億7100万ドル (同4%減)だった。料金収入は2億1100万ドル(同1%減)。地域別では、米国における売上高が12億6500万ドルで前年同期比13%増。米国外は5億3400万ドルで同8%減だった。

アフィリエイトの不調を除けば売上高の伸びは順調だったが、純利益は1億3100万ドル (希薄化後の1株あたり利益は0.09ドル)で、前年同期の1億6100万ドル(同0.11ドル)から減少した。営業経費が前年同期の8億3000万ドルから9億3000万ドルに上昇し、中でも製品開発と一般経営コストの増加が目立つ。営業利益は前年同期比45%減の1億100万ドルだった。

Yahoo!はMicrosoftからの買収提案で合意に至らず、さらに投資家のCarl Icahn氏から委任状争奪戦を仕掛けられていたが、前日にIcahn氏との和解を発表し、現経営陣のまま8月1日の株主総会を乗り切る体制を整えた。社長のSue Decker氏は、SearchMonkeyやBOSSのようなオープン戦略に則った製品の発表、Googleとの提携合意実現などを例に挙げ、長期的な成長の礎が形になってきたと強調する。Yang氏も「インターネットの成長の中心に位置するための投資を継続するわれわれの戦略の正しさが証明されつつある」と第2四半期の成果を評価する。

今後の見通しについては、2008年第3四半期の売上高を17億8000万~19億8000万ドル、2008年通期では73億5000万~78億5000万ドルと予測している。