米Googleは7月22日(現地時間)、Google Mapsに歩行者用の道順表示機能「Walking directions (ベータ)」を追加した。

これまでのドライブ用の道順表示機能は、一方通行など車のルールに従ったルートが示されていたが、歩行者用では高架下の小さな通り道など歩行者しか通行できないルートが加味される。

Google MapsでDirections(道順)を表示すると「By car」「Public Transit」「Walking」の3つの道順表示方法を選択できる。サンフランシスコ市内をシビックセンターからチャイナタウンまで移動するルートを調べると、By carではVan Ness AveとBroadway Stという車が走りやすい大きな道が選択された。距離は3.7キロで、移動時間は7分。Walkingに切り替えると、車が通るにはせまくて混雑している道や一方通行を逆に進むルートも選択されて、距離は2.9キロに。所要時間は41分だ。さらにPublic Transit (公共交通機関)に切り替えると、歩行と複数のバスを利用するルートが示された。バス待ちを含むトラベル時間は約29分で、料金は1.50ドル。これは1ライン分の料金だが、SFMTAのバスは2時間以内ならば乗り替え自由である。交通機関のローカルルールがちゃんと反映されているようだ。

車用の道順は遠回りだが、車が通りやすい幅広い道が選ばれている

歩行者用の道順は一方通行や道幅など関係ない最短ルート

市内を走るバスと組み合わせたルート

Google Earth/ Google Mapsのブログによると、歩行者向けのルートの最適化という点で改善の余地があるため"ベータ"リリースになっているという。歩行者が利用できる近道は数かぎりなくあり、今後もデータ収集に努めるとしながらも、必ずしもWalking directionsのルートが最短ではないと念押ししている。しかし、坂の間を縫うように歩行者用の道が設けられているサンフランシスコ市で試した感じでは、予想以上に正確なルートが示された。ルートは最短距離が最優先されるのではなく、歩きやすい道が選ばれる傾向にあるようだ。ただし、危険な通りや地域などを確実に避けるような機能は備えていない。車や交通機関の利用に比べると、歩行者の場合は危険に直面する可能性が高い。そのため道順説明の上には「なじみのない地域を歩く時は用心してください」という警告が表示される。