ルネサス テクノロジは22日、16ビットマイコン「M16C/Tinyシリーズ」のラインナップ強化として、車載のボディやシャシー制御などのアプリケーション向けに「M16C/5L」および「M16C/56」の2グループ合計14品種を製品化したことを発表した。価格は670円からで、2008年10月からのサンプル出荷を予定している。

M16C/5Lの外観(左:80ピンLQFP、右:64ピンLQFP)

同製品は、M16C/Tinyシリーズにおける従来品「M16C/28」とCANコントローラ搭載「M16C/29」の各グループの後継品で、機能と性能を向上し、かつシステムコストを削減できる周辺機能を搭載したもの。M16C/5LはCANコントローラ搭載品、M16C/56はCANコントローラを非搭載品で、いずれも従来品と互換性があるため、機器の機能拡張やバージョンアップに柔軟な対応が可能となっている。

2グループともにCPUコアには従来品と同様「M16C/60」を採用しているが、最大動作周波数は従来品の20MHzから32MHzへと引き上げられている。

内蔵フラッシュメモリは、80ピンパッケージで96K/128K/256KBの3種類が、64ピンパッケージで64K/96K/128K/256KBの4種類が選択可能。また、フラッシュ書き換えなどの小容量のプログラム格納向けに16KBのフラッシュメモリも別途搭載している。このほか、データの格納用に4KB×2ブロックのデータフラッシュを搭載しており、外付け部品の削減が可能だ。

さらに、DMAコントローラを従来品の2チャネルから4チャネルへと増加させているほか、専用のオンチップオシレータで動作可能なウォッチドッグタイマ、低電圧検出回路、オンチップオシレータなどを搭載しており、外付け部品の削減が可能となっている。

加えて、リアルタイムクロックならびにタスク監視タイマを搭載するなど、車載制御に求められる機能を複数搭載している。

なお、同社では、同グループの展開版として、「M16C/5Mグループ」の開発を行っている。同グループは、CANチャネル数の増加のほか、LINインタフェースやE2データフラッシュを搭載しており、64ピン、80ピン、100ピンLQFPの3種類のパッケージ合計16品種を計画している。同グループのサンプル提供時期は2009年第3四半期を予定している。