SegwayのCTO兼デザイン/ エンジニアリング担当バイスプレジデントであるDouglas Field氏が、Appleのプロダクトデザイン担当バイスプレジデントに就任するという。Segway Personal Transporter (PT) のオンラインコミュニティSegway Chatで管理者のJohn Grohol氏が明らかにした。

Field氏はFordで自動車開発エンジニアとして車の振動やノイズ、乗り心地などの改善に取り組み、その後Johnson & Johnson Medicalでプロセス開発マネージャーとして医療デバイスの量産プロセスの改革を主導。そしてSegwayの発明者であるDean Kamen氏のDEKA Research & Developmentに加わった。SegwayではSegway PTの開発と、将来モデルに向けたR&Dを担当していた。製品開発と製造プロセス管理が同氏の専門だが、その経歴はAppleのプロダクトデザイン・チームの中で異色の存在になると言われている。AppleはiPhoneでマルチタッチを導入し、MacBook AirやMacBook Proでも一部のアプリケーションをタッチ操作できるようにするなど、ユニークなインターフェイスを実現している。だが、人がふれながら操作する点を追求した製品設計では、自動車や医療器具の分野に一日の長がある。Segway PTは体重を傾けるだけで、誰でも簡単に2輪走行できる。そのようなシンプルで直感的な操作や、特定用途に最適化された製品設計と量産の仕組みづくりが、パソコンや携帯電話でもより重視されるようになった現れとも言えそうだ。

なおGrohol氏は、設立からこれまでエンジニアリング・チーム全体を率いてきたField氏がSegwayを去るのは損失であると認める一方で、チームにもたらされる新風がSegwayの将来のバージョンのエンジニアリング・ソリューションにおいて、これまでとは違った発想を生み出すと期待している。発売開始から一般道での走行許可に苦戦してきたSegwayだが、原油価格の高騰が追い風となり、売上げが伸びているという。7月1日にはニューヨーク州で、自転車道や低速道路などでの走行を認める法案が同州上院議会を通過した。