Siemens PLM SoftwareでVelocity Siries ポートフォリオ製品開発バイスプレジデントを務めるBill McClure氏

米Siemens PLM Softwareの日本法人であるシーメンスPLMソフトウェアは7日、同社の統合PLMソリューション「Velocity」の最新バージョンの紹介などを行う「Velocity Series Conference 2008」を開催。また、それに併せ記者説明会を開催、同ソリューションを取り巻く現状などの報告を行った。

冒頭、同社Velocity Siries ポートフォリオ製品開発バイスプレジデントであるBill McClure氏は、「中堅・中小企業を対象としたPLM市場は年間12~15%の勢いで成長する」とし、PLM市場全体の伸びである8%に比べ、高い伸びを示す領域であり、全体に占める同領域の割合は現在の30%程度から、2011年までには50%に到達する見通しであることを示した。

また、Velocityシリーズは、現在は425以上のチャネル販売パートナーを通じて中堅・中小企業に向けて販売が行われており、その80%以上が複数のVelocityシリーズ製品を取り扱っているとしており、売り上げの90%はパートナーからもたらされるという。

Velocityシリーズは中堅規模の製造業のためのPLMであり、モジュール形式を採用することにより、単品での使用も複数製品を組み合わせての使用も可能となっている。主な製品は2次元および3次元設計ツール「Solid Edge」、FEAモデリングソフトウェア「Femap」、CAMツール「CAM Express」、データ管理ツール「Teamcenter Express」の4つ。

いずれの製品も次世代バージョンが2008年夏以降にリリースを予定しており、Solid Edgeは「Solid Edge with Synchronous Technology」へと変更が施される。なお、日本語版のSolid Edge with Synchronous Technologyは2008年秋頃をめどに提供を開始する予定としている。

同ツールは、ノンヒストリモデリングと履歴ベースのモデリングの特長を兼ね備えたノンヒストリ型フィーチャ・ベースの設計環境を採用している。

ノンヒストリモデリングと履歴ベースのモデリングの特長を兼ね備えたノンヒストリ型フィーチャ・ベースの設計環境

このモデリング手法では、フィーチャ履歴ではなくコレクションとして取り扱うことでフィーチャの作業順序に縛られることなく変更作業を行うことが可能である。このため、モデリング前の事前検討が不要となり、設計の体感速度は従来の100倍向上するという。

また、モデルの変更によるやり直しをなくすことができるため、設計変更(ECO)に要する手間も秒単位で行うことが可能となる。

さらに、サプライやなどから提供されたCADデータであってもネイティブモデルと同様に使用することができ、変更時でもジオメトリの重要な関係を維持することが可能となっている。

なお、日本地域では、全製品に対し現在23社の代理店と契約しており、内7社がVelocityの代理店となっている。また、このほか、約50社が2次販売代理店となっており、今後も2次販売代理店の開拓に注力するために2008年3月から6月にかけて、約100社とコンタクトをとったという。同社では、「中堅・中小企業を相手にするには、それ向けの代理店の存在が必要としており、今後は2次代理店も1次代理店と同様の教育を行っていく計画」としている。