Firefox 3.0の新機能についてはすでに多くの記事がアップされているのでそちらをご覧いただくとして、本稿ではFirefox 3.0の発表後に来日したMozilla Corporation CEO、John Lilly氏にお伺いした話を紹介したい。開発コード名「知床」と呼ばれるFirefox 3.1やさらに先の4.0、今注目が高まるMobile Firefox、Mozillaが目指す世界など興味深いお話をいただいた。もちろん"IEケーキ"についても。

7割か8割だって? クールなシェアは3~4割だ

Mozilla Corporation CEO、John Lilly氏

「シェアが目的ではない。7割、8割のシェアを獲ろうとは思っていない。多くなりすぎるとクールだから使ってみようと思わなくなってしまうだろう(笑)。変な話だが、3~4割くらいを保っていくことでハイセンスな人が使ってくれる」 - Mozilla Corporation CEO, John Lilly氏はそう説明する。

Firefoxはそのシェアを伸ばし続けている。シェア観測の方法にもよるが、現状でだいたい全体の2割ほどのシェアを獲得している。当然、目指すはシェアナンバーワンだろうと思ってしまうが、John Lilly氏はそうではないと説明する。Mozillaの目的はWebをオープンに保つことであって、ユーザーのシェア獲得が直接の目的ではないという。

「我々のゴールはユーザーを獲得することにあるのではなく、Webを"オープン"にしておくこと、こうした取り組みに誰もが参加できるようにしておくことにある。グローバルにつながっている文化によって今を定義できる。これがまさに我々の目的だ。だからこそ、中国やインドやロシアなどこれからシェアが伸びる地域に対してアクセスしていくことが重要になってくる。Firefoxのシェアはそれを達成するための経過であって、シェアの獲得自身が目的ではない」

かといって、最先端を走るユーザーにだけFirefoxを使ってほしいというわけではなく、安全だから、コンピュータに詳しくないお年寄りにも使ってほしいと説明している。John Lilly氏の祖父は実際にFirefoxを使っているようだ。たしかに、Firefox 3で実現されたフィッシング詐欺対策機能やマルウェア対策機能はテクノロジーに詳しくないユーザーにこそ利益がある機能だ。

IEケーキの行方

米MicrosoftのIE TeamはFirefox 2がリリースされたときにMozillaにケーキを送っているが、今回もケーキのプレゼントが行われた。

この贈り物には手をつけたのだろうか? 「食べたか? って、そりゃもちろん食べたよ! 彼らのケーキ技術はどんどん向上してる!! 知床(Firefox 3.1)が出たら何が送られてくるのか楽しみだよ」とJohn Lilly氏。しかしIEケーキについてはさらに気になることがある。Firefox 2のときのケーキの一部が今も残っていたことだ。なぜ"e"のマークだけ残しておいたのか。「なぜか分からないけど、"e"の部分だけフリーザにいれて保存しておいたんだよ」と笑いながら答えてくれた。特に理由はないそうだ。

Firefox 3を祝うIEケーキ - IE Sends Mozilla a New Cake for Firefox 3 (arcanology.com)より

Firefox 3 IEケーキとFirefox 2 IEケーキの残り - Let Them Eat Cake (intothefuzz.com)より

なお、最後に思い出したように一言、「そういえば、Safariからはなにも送られてきませんでした」とJohn Lilly氏。