マイクロソフトが運営するポータルサイト「MSN」が企画する、ユーザー参加型のWebオーディション『We舞台』に、かつて"新加勢大周"として芸能界にデビューし、芸名問題で騒動を起こしたタレントの坂本一世が参加決定。舞台に再起をかける坂本のオーディション用のための自己PR動画撮影現場を密着取材した。

ハリウッドスターも夢じゃない

We舞台の特設サイト。応募フォームから自己PR動画をエントリーできるほか、プロの俳優が自らの経験を語るインタビューなどを掲載

今回、坂本が参加する『We舞台』は今年4月に行われたMSNのトップページリニューアルに合わせてスタートした「Transformキャンペーン」の一環となるプロジェクトだ。同キャンペーンではネットサービスとリアルイベントを組み合わせたオリジナリティあふれる新しいエンターテイメントコンテンツを企画。これまでMSNを使っていなかったユーザーにも興味を持ってもらうことを目的としたユーザー参加型の企画を多数展開している。特にWe舞台はその根幹を成すものでプロ、アマを問わず、世界に通用する役者をWebで発掘することを目指したネットオーディションである。

世界とはまた大きく出たものとお思いだろうが、これはあながちリップサービスではない。合格者には12月に東京で行なわれるキティフィルムが製作を担当する120万部を突破したベストセラー「夢をかなえるゾウ」の舞台「waiting for the sun~夢をかなえるゾウ~」、同じく大阪で行なわれる舞台「ソラオの世界」に出演する権利が与えられる。また、この舞台はそのまま最優秀者決定の最終オーディションとしての役割も担っており、選出されると来年公開する映画の出演権まで用意されている。まさにスター街道へと続く道になっているわけだ。舞台の総合監修を務めるのはハリウッドのキャスティングディレクターとして「ラスト・サムライ」や「BABEL」などに日本人キャストを送り込んだ奈良橋陽子。つまり、目に留まればハリウッド映画への出演も夢ではないのである。

1分間の投稿ビデオで自分をアピール

特設サイトの「鑑賞する」項目から投稿者の自己PR動画が閲覧可能。動画の投稿はMSNビデオの投稿機能「Soapbox」を使用するため、Windows Live IDが必要だ

音楽や映像クリエイター向けのネットオーディションは多いが、演劇というジャンルにはほとんどない。それだけに小劇団の役者やパフォーマーにとってはWe舞台はまたとない大チャンスといえるだろう。参加への敷居も高くはなく、特設サイトにて自己PR動画を、MSNビデオの投稿機能「Soapbox」を使って投稿、応募するだけ。PRの時間は1分間だ。通常のオーディションと違って短い時間なだけに、MSNの担当者によれば「芝居を演じることにこだわらず"俺、こんなことできるよ"ってことをアピールしてほしい」とのこと。また「面白いキャラクターなら(原作に登場しなくても)その人のための役を作ることも考えています」と演劇経験者以外の参加も大歓迎するとした。

応募締切は7月14日までと残された時間は少ないが、今年に限らず来年も企画を続けることを予定しているという。なお、投票には一般ユーザーも参加できる。審査員によって選ばれた優秀者が、Web投票によって8月~10月に全国8カ所で行なわれる公開オーディションへと進む。ここでの一般投票と審査員投票により、関東関西エリアの上位各5名が決定する仕組みだ。

坂本一生「ビルゲイツに会えるかなぁ」

さて、前置きが長くなってしまったが、われらの坂本一生の登場である。

自己PR動画の撮影は都内のスタジオにて行なわれた。まず現場に到着した坂本は、上半身の着衣をおもむろに脱ぎ、トレードマークの黒のTシャツ姿をお披露目。今年37歳を迎えた坂本だが、年を感じさせないマッチョボディだ。本人は「本格的なトレーニングを再開したのはここ1カ月くらいなんで、まだまだです」と謙遜するものの、かつて肉体派でならした筋肉は今も健在であるようだ。

撮影現場に登場するとすぐに黒のTシャツ姿になる坂本一生。なんでも加勢大周のイメージが白だったので坂本は黒になったとか

We舞台のチラシを手にPR動画を考える坂本一生。その表情は再起をかける男ならではの真剣そのもの

ということは自己PRはその肉体を使ったアクションか。しかし、詳細をマネージャーからあまり知らされていなかったらしい。まったく考えていなかった坂本はスタッフに向かって「マイクロソフトさんの企画ですよね。ビル・ゲイツに会えるかなぁ」といきなりの天然発言。松竹芸能に移籍したばかりなだけに、まさかのお笑い転向だろうか。しばし内容を考える坂本であったが、やはり肉体のアピールをすることに決定した。だが、いざ撮影に入ろうとすると「あ、ジェル忘れてきちゃった。誰かコンビニで買ってきてくれますか。黒いフタの500円くらいの安いやつ」と坂本。再起をかけるはずなのに大丈夫か。

こちらのそんな不安をよそに体を動かし始める。すると、イメージは一転した。腹筋、懸垂、さらには難易度の高い逆立ち腕立てと「ウォ、フン」と唸り声をあげながら肉体の強靭さをアピール。ジーパン姿なのに回し蹴りなど空手の型にもチャレンジする。スタローンとシュワルツネッガーが憧れ、というだけにノリノリだ。

肉体派だけにアクションは迫力。体を動かすとどんどんアイデアが沸いてくるようでスタジオ狭しと動き回る

存分にスタジオを所狭しと動き回って撮影は終了。最後に感想を求めると「一世の名前は"一生懸命"の一世。100%を出しました。もし仮に舞台に出られるんであれば、肉体だけではなくて違った自分を見せていきたい。魅力的な俳優だな、と思われたいです」と語った。

体を動かし切ったあと、スタッフとともに出来上がりを確認する坂本一生

この勇姿はWe舞台特設サイトで一般参加者とともに公開される。坂本一生の夢、憧れのハリウッドスタートとの共演は叶うのか。なお、We舞台には同じくゴージャス松野も参加を表明している。くしくも新旧お騒がせタレント対決が実現することになった今後のWe舞台の展開に期待だ。

最後はにこやかにポーズ。安田大サーカスの団長のすすめで、4月に事務所を松竹芸能に移籍したばかり。坂本一生のお笑い転向もある?