バックアップソフトはリカバリが簡単でこそ使いやすい

バックアップはいざという時の対策としてかかせないものだ。しかし、効率的にバックアップをしているという方は少ないのではないか?「バックアップはどうにも面倒!」や「バックアップファイルのサイズが大きくなりすぎて」といった声も聞かれる。

しかし、もう1つの原因として、実際にクラッシュなどが発生しても、リカバリの方法が面倒であることも原因であろう。システム領域(OSがインストールされた領域)がクラッシュした場合には、なんらかの方法でPCを立ち上げ、バックアップソフトを起動するという手順になる。NASなどにバックアップファイルを保存している場合、手間なことが多い。

図1 PowerX Hard Disk Manager 8

メーカー製のPCなどでは、リカバリディスクが用意されており、光学ドライブから起動し、購入時の状態に戻すことができる。同じことが、自分が好きな時に作成できれば便利と思った方もおられるであろう。本稿では、ネットジャパンから販売されているPowerX Hard Disk Manager 8(以下、Hard Disk Managerと表記)を利用して、オリジナルのリカバリディスクを作成する方法を紹介したい。また、Hard Disk Managerのさまざまな機能を利用して、効率的なバックアップ・データ管理の方法についても紹介する。

PowerX Hard Disk Manager 8とは

Hard Disk Managerは、非常に多機能なソフトである。バックアップから、デフラグ、パーティション操作、ファイルの完全消去などの機能がある。動作環境は以下の通りである。

  • CPU:Pentium(または完全互換)300MHz以上のCPUを搭載したPC/AT互換PC
  • OS:Windows Vista、Windows XP(x64を含む)、Windows 2000 Professional
  • メモリ:Windows Vistaは512MB(1GB以上を推奨)、Windows XP、2000は256MB以上(512MB以上を推奨)、CD-ROMからの起動の場合は256MB(512MB以上を推奨)
  • 光学ドライブ、さらに光学ドライブからの起動が可能であること
  • HDDの空き容量:インストール用に40MB
  • SVGA以上のモニタ環境

インストールの前に、製品CD-ROMからの起動を試しておこう。実際にこれができないと、復元などができない。使用するPCのBIOSの設定を確認して光学ドライブからの起動が可能なように設定を行う。BIOSの起動方法についてはあ、PCやマザーボードのマニュアルを参照していただきたい(一般的には、起動直後にDelete、F2キーなどを押す)。

BIOSのメニューからBootや起動などのメニューを選択する。この例では、図2のようになる(BIOSによっては異なるので注意されたい)。

図2 BIOSのBootセクション

この例では、[CD-ROM Drive]を一番上に移動する。設定内容を保存して、再起動すると、光学ドライブからの起動が可能になるはずである。光学ドライブに製品CD-ROMを入れて、再起動しよう。再起動すると、

Press any key to boot from CD or DVD ...

と表示される。表示中にEnterキーを押し、光学ドライブから起動する。すると、図3のように起動メニューになる。

図3 Hard Disk ManagerのCD-ROM起動メニュー

この表示がでれば、問題ない。製品CD-ROMからは、Windows PEというOSが起動している。正式名称はWindows Preinstallation Environmentで、一般的には、Windowsのプレインストール作業などで利用される。HDDにインストールする必要がなく、光学メディアから起動させることができるのが特徴の1つだ。Hard Disk Managerでは、Windows PE 2.0を採用している。実のところ、中身は必要最小限の機能を備えたVistaと考えてもよいであろう。各種デバイスの認識はもちろん、ネットワーク機能なども備えている。

HDDが起動しなくなった場合には、CD-ROMから起動して、データを救出することもできる。緊急時には、非常に便利な機能といえるだろう。Hard Disk Manager自体もHDDにインストールした状態とほぼ同様の操作が可能である。