The Groovy development teamおよびG2Oneは14日(米国時間)、Groovyの最新版となるGroovy 1.5.5を公開した。GroovyはJava仮想マシン上で動作するスクリプト言語。JSR 241: The Groovy Programming Languageに準拠している。

Groovy 1.5.5は1.5系におけるバグ修正を中心とした安定版リリース。1.5系はJava 5で導入された機能(アノテーション、ジェネリック、static import、列挙型)が統合されたバージョンで現在利用が推奨されるリリース系列だ。Java 5の機能統合以外にもGrailsメタプログラミング機能、Groovy Swingビルダサポート、JavaとGroovyを統合するツールチェーン、IDEAにおけるGroovyサポート実現などの特徴がある。

1.5.5はバグ修正と一貫性が改善された通常の安定版リリースという側面を持っているが、大幅に機能が改善されたという意味で注目に値するリリースになっている。1.5.5ではコンパイル時間が大幅に改善されている。開発チームは次期Groovy 1.6でパフォーマンスの大幅な改善に取り組んでおり、今回1.5.5で実現されたコンパイル時間の短縮はこうした成果がバックポートされたものだ。

今回改善されたGroovycコンパイラは、従来の実装と比較して3倍から5倍高速に動作するようになっている。結果として大規模なGroovy/JavaプロジェクトやGrailsプロジェクトにおけるコンパイルがこれまでよりも容易になる。開発チームの注目は依然としてパフォーマンスの改善に向けられている。Groovy 1.6へ向けた最初のベータリリースは数週間以内にリリースされるとみられており、Groovy 1.6ベータは現在よりもパフォーマンスが向上するものになるとみられる。

Rubyは最新版で実行速度が大幅に向上した。Java実装であるJRubyも最新版で実行性能が大幅に向上している。Groovyもこの流れに続くことになりそうだ。