ポータルサイトの「Daum」を運営するDaum Communications(以下、Daum)は、Softbank Media Lab(以下、Medialab)と、新規サービス育成のために提携したと発表した。

Media Labは、新サービスや技術の検証などを通じて新規ビジネスの発掘を目的に設立されたSoftbankの100%出資による子会社だ。同社では現在、ベンチャー企業育成のための新規サービスインキュベーションプログラム「Litmus 2」を運営している。ここはベンチャー企業が、自らの新サービスやアイディアを紹介し試すことができる空間で、このサービスに登録している業者はホスティングサービスが受けられるほか、サービス企画、コンサルティング、事業提携なども支援してもらえる。

Litmus 2に登録されているサービスの一例を見てみよう。「Fandom:TV」は世の中の全てのものを比較するというコンセプトの動画サイトだ。「Samsung VS LG」、「ベンツ VS BMW」など、対象物を動画によって比較する。比較しやすいよう、1つのプレーヤでいくつかの映像を同時に再生することが可能なほか、この動画に対してユーザーが投票することも可能だ。

このようにまだ日の目は見ていないものの、将来性が見込めそうなサービスを世に広く紹介すべく、DaumとMedia Labが提携してマーケティングや評価活動をしていくというのが、今回の提携の目的だ。

さしあたり、Litmus 2にある2サービスを、Daumによるブログサービス「TI STORY」に連動させる予定だ。最初に連動することが決まったのは、大学基盤のSNSサイト「Rukie」と、ブログの文章を雑誌として出版できる「On20」の2つだ。

Rukieでは既存のように不特定多数ではなく、大学を対象としたSNS活動ができるようになっている。同じ大学の学生、学年、サークル内だけでなく、他の大学との交流も可能な場を設けており、大学というジャンルで多様な形での交流が可能だ。またOn20では、同サイト内にブログを開設し、この中の文章が多くのユーザーから支持を得れば、週刊誌「On20」に掲載されることとなる。

TI STORYで好評を得、広く普及する見込みの大きなサービスについては、Daumの同好会サービスである「カフェ」などに、連動範囲を広める。さらに広報や評価などの活動も行うことで知名度を広め、サービスの質を高めていく考えだ。

いくらサービスが優れていても、それがメジャーになるにはマーケティングが必要だ。しかしそれには費用がかかる。そのためDaumという広く知られているサービスと連動できる今回の提携は、ベンチャー企業にとって自社の名を売る大きなチャンスになりそうだ。また今後もさまざまな新サービスが、DaumとLitmus 2を通じて出てくることが予想される。