ソウル市はデジタルコンテンツ育成のため、2011年まで1,000億ウォン(約100億6,600万円/1円=0.1006ウォン)規模のファンドを運用すると発表した。

ソウル市では昨年(2007年)12月、「デジタルコンテンツ専門投資組合」を結成し、290億ウォン(約29億584万円)規模の第1号ファンドを助成、今年初めから稼動させている。これに続いて今年は200億ウォン(約20億1,300万円)規模の第2号ファンドを助成する予定という。このように200億ウォン規模のファンドを追加助成していき、最終的に1,000億ウォンまで拡大する予定だ。ソウル市では「今後第1号ファンドを通じて、約20編のゲームやアニメーションへの投資が可能」としている。

第2号ファンドは今年9月頃に結成される見込みで、運用機関は7年。アニメーションやキャラクターへの投資のために50%以上を費やし、残りはゲームなどに投資する。また投資の対象はソウル所在の中小企業が80%以上を占めるという。

ソウル市はこうしたファンドを助成することにより、デジタルコンテンツを活性化させ、ソウル市におけるビジネスチャンスを拡大し、たくさんの企業を誘致することで、将来的に財源を増やすことなどを狙っている。

こうしたファンドにより、すでにソウル放送(SBS)によるドラマに対する投資が行われている。また今後、具体的に投資することが決定しているのは、以下3つだ。

  1. オンラインゲーム「L2-Project」 : T-Entertainemntによるゲームで、戦略シミュレーションゲームとMMORPGを合わせた形態のゲーム

  2. テレビアニメーションシリーズ「Meta-Jets」 : 韓国とカナダが共同投資し、制作するアニメーション。総制作費は58億9,000万ウォン(約5億9,200万円)にのぼる。テレビ放送だけでなく、出版やゲームなど、ライセンス事業にも期待。カナダでは既に放送局の「Teletoon」での放映が決定してる

  3. ゲームメーカーのRyu-en Soft(転換社債投資) : 同社のオンラインRPGゲーム「Wonder King」は現在、ソウル放送グループで、デジタルコンテンツ事業を手がけるSBSiが運営している

ソウル市によるデジタルコンテンツ育成の動きは今に始まったことではない。これまでにもソウルアニメーションセンターを運営し、アニメーション関連の資料を公開したり、アニメーター育成や映画特殊効果研究、マンガ制作体験教室など各種セミナーも活発に開催している。このほかにもプロゲーマーを招待してオンラインゲームの楽しさを伝える「ソウル国際eスポーツフェスティバル」を開催するなど、熱心な活動を行っている。今回のファンド助成もその一環で、大きな効果が期待される。