日本電気と東京大学は31日、サービスの普及過程における人と人との相互作用を分析しモデル化することで、サービスがどのように普及していくのかをシミュレーションする技術を開発した。

同技術は、人間関係によって構築された社会ネットワークに類似した構造をコンピュータ上で構成し、消費者行動モデルを作成することでコミュニケーションによりサービスが普及していく様子のシミュレーション、および可視化を可能にしたもの。

友人の数やコミュニティ規模などのアンケート調査データに整合させながらネットワークを作成していく数学的アルゴリズムを採用し、生成するネットワークにコミュニティ構造をあらたに取り入れたことで局所的に密になる消費者の集団をモデルに反映させている。また、消費者間の口コミ効果を捕らえるために、消費者を分類して各消費者タイプの影響力をスノーボールサンプリングアンケートで調査/モデル化する方法も構築された。これらの社会ネットワークモデルと消費者行動モデルを利用して、マルチエージェントシミュレーションを実行し、認知から関心、所有という購買に至るまでの心理的な段階の変化を可視化するシミュレーションを開発した。